第3話

序章 chapter2 捕まった先で
1,009
2021/07/23 14:52
ゑむ氏
ゑむ氏
……と……っきろ……!
ゑむ氏
ゑむ氏
……音羽……!起きてっ!
音羽
音羽
………むにゃ。
ゑむ氏
ゑむ氏
音羽っ!!いつまで寝とんねん!いいかげん起きろ!…ゴッ!
音羽
音羽
いっ!?……たぁ〜。何も頭突きせんでもええやん…。って何この状況。
森で襲われていた少女を助けに入り、羽交い締めにされていた少女を2人で助けた。
…までは良かったのだが、盗賊団のお頭であろうモンスターが放った呪文をあびて眠ってしまい、代わりにモンスター盗賊団に捕まった2人は今、背中合わせの状態で縄で縛られ、岩の床に座らされていた。
ゑむ氏
ゑむ氏
まぁ、捕まっとるな
音羽
音羽
いや、それは分かるけどさぁ…(汗)
あれ…ennちゃんは?まさか別のところに?
ゑむ氏
ゑむ氏
ん〜、ど〜やろなぁ…。ennちゃんは俺らと違って遠い所におったし、もしかしたらあの女の子と逃げてるかも…。
音羽
音羽
…まぁ、どっちにせよennちゃんやから大丈夫やと思うけど…。どうするよ?武器とか全部取り上げられてるみたいやし
ゑむ氏
ゑむ氏
それ俺に聞くんか?…うーん。
音羽
音羽
うーん…。
……あ、せや、ゑむ氏こんなんはどう?
ゑむ氏
ゑむ氏
ん?
音羽
音羽
ゴニョゴニョ……
ゑむ氏
ゑむ氏
うーん。何か一か八かな感じするけどそれに賭けるしかないか…。
いつも作戦を考えるのはennだ。
だが、今はそのennがいないので2人は協力して脱出する方法を考え、音羽が出した作戦を決行する事にした。
音羽
音羽
(小声)よし、いくで?
ゑむ氏
ゑむ氏
(小声)おぅ
音羽
音羽
スゥーーー。(息を吸う)

ぐわあああっっっっ!!!!
痛いぃぃぃぃ!!助けてくれぇ!!
があぁぁぁ!!
ゑむ氏
ゑむ氏
音羽!?ちょっと!!誰か!!誰か来て!!
突然聞こえた大声に見張りをしていた手下モンスターが2体、檻に走って来た
モブ敵
モブ敵
なんだなんだ!?
モブ敵
モブ敵
ウルサイゾ!オマエタチ!
ゑむ氏
ゑむ氏
仲間が苦しみだしたんや!コイツ持病持ってるねん!頼む!コイツの首飾りに入ってる薬飲ませてあげてくれ!頼む!
モブ敵
モブ敵
あ〜ん?俺達がそんな事する訳ないだろ?自分の立場分かってんのかぁ〜?
ゑむ氏
ゑむ氏
そんなもん充分分かっとる!お前達も捕虜が勝手に死んでしもたらお頭に怒られるんと違うか?その薬飲ませてくれるだけでいいねん!頼む!
モブ敵
モブ敵
オ、オイ、ドースル?
タシカニココデシナレルト、アトカラオカシラニナンテイワレルカ…
モブ敵
モブ敵
ぐ、ぐぅ…。分かった、薬を飲ませるだけだぞ…オイ飲ませてやれ
モブ敵
モブ敵
チッ…。ウゴクナヨ……。コレカ?…ン?
ナカナカアカナイ……ッグキャァァァァ!!
敵が音羽のネックレスに伸ばし、顔を近づけたその瞬間。

音羽が口から鋭い水流を吐き出した。堪らず衝撃で手下が吹っ飛び、檻の扉に叩きつけられた。
モブ敵
モブ敵
なっ!?テメェ何してくれてんだっ!
檻の入口付近にいたもう一体が、武器である大きな斧を音羽に振り下ろそうとこちらに向かってくるが
モブ敵
モブ敵
こんっのっ!!グホオッッ!!
それよりも先に音羽が背中合わせの状態から前屈みに立ち上がりながら身体を反転させた。
その直後、反転する勢いそのままゑむ氏が手下に渾身の蹴りを入れた。

思ったよりも重い一撃をモロに食らった手下はその一撃で伸び、倒れる。
その際、手から離れた斧を使って縄を切った。
ゑむ氏
ゑむ氏
ふぅ〜。何とかなったなぁ
流石音羽。ナイス( ‐ω‐)b
音羽
音羽
やゑむ氏もな!(笑)
2人は笑顔で拳を合わせる
ゑむ氏
ゑむ氏
…にしても毎回思うねんけど
その口から水出すのどーゆう仕組みなんや?
音羽
音羽
んー?ヒミツ〜♡
ほら、んな言ってやんとはよ武器と荷物探しに行こ!コイツらもいつ起きるか分からんし
ゑむ氏
ゑむ氏
お、おぅ…。
2人は急いで檻を出た。



□□□




ーーその頃。



こたつ、タロ社は盗賊団が潜む岩場の洞窟の門番を倒した所だった。



タロー社長
タロー社長
おし!あらかた片付いたな!
こたつ
こたつ
おう!ほな先進むぞ!
2人は洞窟の中へと駆け出した。
こたつ
こたつ
オラオラオラァ!
こんなもんかぁっっ!
こたつは迫りくる盗賊団の仲間を大剣でバタバタと薙ぎ払っていく。
こたつ
こたつ
タロ社っ!!そっちいったぞ!!
タロー社長
タロー社長
分ぁかってるよ!こたつ!!
中にはこたつの攻撃を掻い潜り、その背中を狙う者もいた。だが、





ーーーーピッ。ジジジッ。





モブ敵
モブ敵
ん?なんだ?……プギャァッッ!!
ーーーードォンッッ!!!
何か糸の様なものに触れた…。敵がそう思った時には既に遅し。タロ社が仕掛けた罠にかかり、吹き飛ばされる。
こたつ
こたつ
おっしゃ!このまま行くぞ!!
タロー社長
タロー社長
おぅ!!
勢いそのまま。洞窟の奥へと突き進んで行く。
こたつ
こたつ
オラッ!!次っ!!!


……ん?
タロー社長
タロー社長
よっ!!っと!!

……どうした?こたつ?…ん?
急に攻撃の手を止めたこたつを不思議に思ったタロ社だったが、直ぐにその違和感に気づいた
モブ敵
モブ敵
………。
モブ敵
モブ敵
………。
明らかに敵が攻撃の手を緩めていたのだ。
こたつ
こたつ
なんや?急に大人しなったで?
タロー社長
タロー社長
敵もようやく俺らの強さを認めて諦めたか?(笑)
こたつ
こたつ
……いや、違う。そうやない。
こたつの視線先。動きを止めた手下達の群れの奥。洞窟の横穴から大きな影が姿を表した。
お頭トロール
お頭トロール
おぉ〜おぉ〜。騒がしいから俺様直々に出てみりゃァなんだぁ?…テメェらこんな虫ケラみてぇなヤツに手こずってんのかぁ?カァーーッッなっっさけねぇっ!!
その影は、こたつの倍以上の大きさのトロールだった。トロールは持っている棍棒を付近の岩壁に叩きつける
タロー社長
タロー社長
うぉっ!?でっかっ!?
流石のタロ社も驚きを隠せない。
こたつ
こたつ
おぉ、お前がお頭か?
お頭トロール
お頭トロール
あぁん?んだァ?虫ケラァ〜?
タロー社長
タロー社長
話、通じないだろうけど一応聞いとくよ。さっき連れ去った2人を返してくれない?
お頭トロール
お頭トロール
アァ?ガハハッッ!なんの事だァ?
タロー社長
タロー社長
…あー。やっぱ通じんか…
お頭トロール
お頭トロール
あの女共は俺様達が奪った。ならもう俺様達のもんだ。欲しけりゃテメェらも力づくで奪ってみろよォ?
こたつ
こたつ
……じゃ、そうさせてもらうわ。
こたつは大剣を手に、トロールへと駆け出した!

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