弔side
ちょっと用があって朝から空けていた
やっとその用が終わってアジトに帰ると何故か騒がしい
騒いでんのあなたか?
でもいつものあなたじゃねぇな…
俺が帰ってきた瞬間皆助けを求めるような目をして出迎えてくれた
あーこれはなんかあったな…
こんなにキレるなんてあの時以来だ
俺がここに居て言葉をかけてるにもかかわらずこれか……
かなりのことあったんだろうな
そう言い残しあなたの手首を掴んで屋上まで行く
未だに暴れてるあなた
まじ何あったんだよ
そうして屋上についた
夏とはいえ秋が近づいてきた夏の夜だから少し肌寒い
あなたを座らせ金網によしかかりながら俺もあなたの隣に座る
あなたも薄着だったから俺の着てた上着をあなたにかける
10分くらいたっただろうか…
あなたもだいぶ落ち着いてきた
ポツポツと少しずつ話そうとしてくれる
だからか…
小さい子が喧嘩の原因を話すみたいに途切れ途切れだが話してくれる
あなたが話してくれる内容を聞いて怒りがどんどん溜まってく
目に涙を溜めながら話してくれるあなたを見て心を痛めた
耐えきれなくなったんだろう…
目から大粒の涙が溢れ出した
ギュ
そう言うとあなたは声を上げて泣き出した
普段泣かないあなたがここまで泣くのは滅多にない
泣いた子供をあやす様に抱き寄せて背中を擦る
あなたをこんなに泣かせて…許さねぇからな…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。