第46話

辛い気持ち。
69
2021/09/16 07:18
週刊誌が出た。





前にヒロミからこんな感じで出るからと

聞いていたし、

ヒロミからの手厚いサポートのおかげで

ハナは動揺することもなく冷静だった。





しかし、報道は熱を上げ、

朝のエンタメ、昼間のワイドショーなど

どの局をつけてもヒロミの話題だった。

ハナは一般人のため、

目隠しがされたが、

分かる人には一目瞭然だった。





すぐに家族や友人から連絡がきた。





コウキからもLINEが来た。
Koki
Koki
久しぶり。みたよ。
付き合ってんの?
Hana
Hana
うん。付き合ってる。
Koki
Koki
やっぱりそうやったんやな。
Hana
Hana
もうコウキには会えないし会わないよ。
Koki
Koki
俺たちの3年は儚かったなw
Hana
Hana
ごめんね
Koki
Koki
謝るなよ。
ハナが決めたことなんやから、
Hana
Hana
Koki
Koki
幸せになりや。
Hana
Hana
うん。
Koki
Koki
じゃ。
胸が痛かった。

辛いのはコウキなのに

ハナは涙が止まらなかった。

コウキにこんな想いをさせて

自分だけ幸せになるなんて

自分は本当にひどい女だな。と思った。



Hiromi
Hiromi
ただいま
Hana
Hana
…‼︎
あれおかえり!
Hiromi
Hiromi
帰るよってLINEしたけど…
どしたん
Hana
Hana
え?ううん。
Hiromi
Hiromi
電気もつけんと。

週刊誌?大丈夫やった?
Hana
Hana
うん、全然!
ごめんね、ぼーっとしてて。
ハナは複雑な気持ちだった。

いろんな覚悟でヒロミとこうなって

コウキを傷つけるのもわかっていたはずなのに…

実際コウキの気持ちを聞いてしまうと

胸が苦しく苦しくて…

この時は、

ヒロミが好きでたまらない自分が嫌だった。
Hiromi
Hiromi
ハナ、おいで。
ヒロミはハナを優しく引き寄せた。

何も言わずに抱きしめて、

そっとハナに寄り添った。




無言の時間が流れる。




ハナはヒロミの優しさが嬉しいのと

コウキへの辛い気持ちが重なって

思わず大粒の涙を流して泣いていた。




ヒロミは何も聞かない。

ずっとそばにいた。







ヒロミはそう言う事が当たり前に出来る

男だった。

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