第30話

確信。
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2021/09/17 06:12
ヒロミの待っている個室の扉が開いた。





ハナがひょっこりと覗き、

ハナの顔を見た瞬間。

ヒロミは三年前のあの頃の気持ちに

一瞬で戻ってしまった。

Hiromi
Hiromi
ハナ…
Hana
Hana
こんばんは(^^)
Hiromi
Hiromi
こんばんは。
Hana
Hana
あはは。こんばんはって!w
Hiromi
Hiromi
だって、ハナがいうから。
Hana
Hana
お久しぶり(^^)
Hiromi
Hiromi
おう。
Hana
Hana
見てるよ(^^)毎日。
TVつけると会えるから
全然寂しくなかったよ(^^)

えらい?ちょっと大人になったでしょ?
ハナの明るさが愛おしかった。

ヒロミは今すぐにでも抱きしめたい気持ちを

押し殺した。
Hiromi
Hiromi
元気にしてた?
Hana
Hana
うん(^^)
Hiromi
Hiromi
相変わらず楽しそうやな(^^)
Hana
Hana
そうだね。
ハナの目がキラキラしていた。

ヒロミは、ハナが幸せなんだな。と感じた。
Hana
Hana
あのね。。
Hiromi
Hiromi
ハナの目がキラキラしていたのは

涙を堪えていたからだった。

ヒロミは、「しまった!」と思った。
Hiromi
Hiromi
ハナ、
Hana
Hana
もう三年だもんね。
ハナなら目から涙が溢れた。
Hiromi
Hiromi
ハナ。
どうした?
Hana
Hana
わからない。
ヒロミはハナの涙を拭い、

強く抱き寄せた。





ハナは糸が切れたかのように

ヒロミの胸で泣き出した。





ハナはどうして

こんなにも涙が出るのかわからなかった。

なにが悲しいのか?




ただ…

ヒロミの顔を見て、

ヒロミの声を聞いて、

ヒロミの雰囲気を感じて…




やっぱりヒロミが好きなんだ。と

ハナは確信してしまった。





ハナの涙の意味がヒロミにはわかった。




Hiromi
Hiromi
出よう。
Hana
Hana
え?
ヒロミはハナの手を引いて

タクシーに乗った。

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