Hawaiiの星空を一緒に見て以来
ハナの中でヒロミの存在が
とても大きくなっていた。
変わらずコウキとはうまくいっているが、
ヒロミへの気持ちが0じゃないのも確か。
二人同時に好きになることってあるのかな?
ハナはずっと考えていた。
その夜久しぶりにハナの友達と
ヒロミの芸人仲間で集まった。
周りのみんなはヒロミとハナが
こんなにも仲が良いとはしらなかったが
ヒロミがハナを気に入っていることは
一目瞭然だった。
みんな口々二人を噂していた。
穏やかな空気が流れる。
飲み会はとにかく楽しい雰囲気だった。
ハナの隣に座った芸人さんが
ハナを気に入り、
ヒロミの前でハナを口説いていた。
その芸人はヒロミの先輩だった。
困ったハナを助けるために
ヒロミはサキに目配せして、
サキはうまく会話に持っていってくれた。
ヒロミはこっそりテーブルの下で
ハナの手を握り、ハナを見つめた。
ハナもニッコリ笑って、握り返した。
飲み会が終わり、
門限があるハナを送ると言って
ヒロミとハナは二人で抜けた。
ヒロミの優しい笑顔。
ハナの大好きな笑顔。
言葉はなくてもお互い気持ちがわかる。
ヒロミの笑顔を見てハナもつられて笑う。
ヒロミは思わずハナにkissをしたくなった。
でも、ハナのことが愛おしすぎて
出来なかった。
こんなこと生まれて初めてだった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。