ハナの仕事が本格的に始まった。
有名なTV局だということもあって
ハナはなにかと新しい受付嬢として
取り上げられることが多かった。
実家暮らしの時よりも
忙しい生活だったけどとても充実していた。
ヒロミともTV局で会うことも会ったが
大体はハナがヒロミの帰りを
ヒロミのマンションで待っていた。
ハナは料理が好きでとても得意だったが
ヒロミは料理や洗濯、掃除など
家事全般をハナにはさせなかった。
そんなつもりで
ハナを家で待たせてる訳ではなかったからだ。
二人は珍しく外でご飯を食べることに!
ヒロミは芸人には珍しく
常にパパラッチに追われてるいるため
滅多に一緒に外出できることがなかった。
だからハナは嬉しくてたまらなかった!
ヒロミが指定したレストランの個室で
ハナはヒロミを待っていた。
ハナは笑顔で電話を切った。
ヒロミが気にするのが嫌だった。
芸能人と付き合うってこういう事。
ハナは忙しく働くヒロミのそばにいられるだけで
幸せだった。
そしてそんな自分に驚いていた。
自分は本当にヒロミが好きなんだなぁと
改めて感じた。
マンションに着いて、
夜景を見ながら
ハナは広いバスタブにゆっくり浸かっていた。
少し前までの生活からは
考えられない景色を今見ている。
「幸せ。」
思わず言葉にしてしまった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!