第22話

癒し。

2019/11/13 06:55


この日もヒロミがハナを迎えに来て

人目につかない個室でご飯。

Hiromi

寒くなってきたな。
ハナいつも手冷たいし
あったかくしなあかんよ。

Hana

あはは。ありがとう。



あっ、そうだ。
今日はひぃちゃんに
渡したい物があって♡

Hiromi

えっ、なになに？

Hana

これ。

Hiromi

なんやろ？
開けていい？

Hana

うん☺︎

開けると中は

一粒星のビジューの付いた黒のネクタイだった。

Hiromi

ハナ…ありがとう。
でもどうしたん？

Hana

いつもご馳走になってばっかりで…
ブレスレットのお返しもしたいなぁと思ってて。
そしたらちょうど星がついたネクタイが目に留まったの☺︎
舞台いつもネクタイにスーツで出てるし、何本あってもいいかなぁと思って。

Hiromi

ありがとう。
嬉しいよ。大切にするわ。

Hana

うん☺︎よかった。

Hiromi

でも、ご飯は気にしなくていいよ。
僕が行きたくて誘ってるし、
ハナがそんな事考えなくていいよ。

Hana

うん。でも何かあげたくて(^^)

Hiromi

ふふふ。

ヒロミはハナの頭をポンポンと撫でた。

嬉しそうに笑うハナ。

Hana

もうすぐだね。M1決勝戦。

Hiromi

うん。xmas eveかな。

Hana

どう？緊張する？

Hiromi

うーん、、どやろ？
意外と今はまだ大丈夫。

Hana

なんかこっちが緊張するよw

見に行きたかったけど、
その日は家族でxmas partyだから。。
遠くから応援してるよ(^^)

Hiromi

ありがとう。
十分。

見つめあって笑う二人。

二人の間には穏やかな空気が流れる。

Hiromi

ハナ、xmasは…？

Hana

xmasは…多分…

Hiromi

そやな。そりゃそうか。
ごめんごめん。

Hana

ううん。

Hiromi

こーら、そんな顔しない(^^)
26日あけといて♡

Hana

うん☺︎

Hiromi

ハナ。
僕は会えればそれでいいねんから。
ね？

ハナの顔を覗き込む。

ヒロミの優しさと穏やかさに

ハナの心がまた満たされる。




ハナは今まで男性に癒しを与える存在だった。

ヒロミに出逢うまでは

男性に癒しを求める事などなく、

癒されたいと思った事もなかった。




そんなハナがヒロミといると癒されていた。

初めての経験だった。