泣きじゃくりながら走った
もうどこをどう走ったのか覚えてない
亮ちゃんが私の盾になって
それから鬼がぶわぁって亮ちゃんにかぶさった
照「あなたっ!!」
がしっと腕が掴まれて
ドアの中に引き込まれる
照「よかった。生きてた。」
辰哉「よく逃げ切ったな」
2人に抱きしめられてわんわん泣いた
それで察してくれた
亮ちゃんはもう戻ってこないと
辰哉「あとは目黒とラウールを待とう」
照「ここは本当に安全だから」
照が優しく私の頭を撫でた
辰哉「ここ警備室なんだろうね」
ガチャガチャと音が鳴って床にころがったのは
小型の拳銃が3つ
辰哉「1人ひとつ持っておこう。持ってて損は無いから」
ケースに入れてそれを腰からさげた
照「絶対来るから待ってよう」
優しく照が微笑んだ
それからどれくらい経ったのだろう
2人は現れることは無かった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!