「なん・・・で・・・」
どさどさと体が床に落ちていく
私はその場に立ち尽くしていた
ふっかは私を撃たなかった
辰哉「いきろ・・・」
ふっかの声が聞こえた
照はずっと目をつむったままだ
辰哉「死ぬなよ」
それだけ言って目を閉じた
ひどいよ
なんで撃ってくれなかったのさ
私が撃った弾丸は照の頭を撃ち抜いていて
照が撃った弾丸はふっかのお腹に命中していた
ふっかは私を撃たずに
握りしめていた銃を私にわたした
それから手の力が抜けて
ドサッと落ちた
私だけひとりぼっちだ
どうすることも出来ずにそのまま
2人の隣に座り続けた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!