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第7話

いつメン
30
2022/04/28 15:49
『おー!せいらじゃんか!久しぶり!』
『うん、久しぶり』
私は次の日から遊びに行くことにした。
みんな私が来るまで待っていてくれたことに心がじんわり温まる。
次の日もその次も日も一緒に遊んだ。遊んで分かったことはみんなの性格や名前。私と一緒に遊んでくれる子は全部で5人いる。前はたまたま多かっただけで10人もいたけどいつものメンバーはこの5人らしい。
女の子は2人。元気な性格の圭(けい)と癒し系な性格の日鞠(ひまり)。
残りの3人は男の子でハーフの双子の朝陽(あさひ)と朔夜(さくや)。そしてネロ。
みんな面白くて優しい。私はこんな優しい人達に隠し事をしていると思うと胸の奥がちくりと痛む。
そんなことを思いながらそれでも私はみんなとの時間を楽しんだ。
みんなと遊び始めて数ヶ月が過ぎた頃、私の話になった。
『そういえば、せいらってどこから来てんの?』
圭がそう言ったのが始まりだった。
私はみんなが来る前に先に1人で行って待っている。もちろんそれは、私が海から出てくるのをバレないようにするため。
『あっ、ごめん!別に言いたくないなら大丈夫だからね!』
圭もわざとではなかったのだろう。数秒場が凍りついたのを感じたのかそのままその話題になることはなかった。
今日もいつものように遊び解散し、海に戻り、寝る前に考えた。あのとき場が凍りついたのは、何故だろう?やっと出た答えがこれだった。
"みんな私のことを不思議に思っていた"
言い換えるなら
"みんな私のことを知りたかった"
それも、悪い意味で。

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