5話
『あー！それ！』
『ありがと！探してたんだ』
『あ、いえ…。』
『てか、ネロのだって言うのに、ネロがトイレ行ったんじゃダメだよな？』
『ほんとよ、人任せね』
ネロは苦笑しながら、ごめんと謝った。
『ほんとありがとな』
『どういたしまして』
そんなことを言いながら、私たちは一日中遊んだ。
日が暮れてきた頃、解散にしようということになり、ティアは一緒に遊んでくれてありがとうと言うと
『あ、あの、良かったらなんだけど…。』
『私たちみんなこの近くに住んでるの』
『だからさ、今度また遊べたら遊びたいなって』
『私たちみんなで話し合っていたの』
『せいらちゃんは、お家近いんでしょ？』
『ということで、ここで毎日でも遊ぼうぜ！！』
みんながそう言ってくれて本当に嬉しかった。
さっき、家の場所を聞かれた時、近いと答えた。まあ、家が海だから隣にあるんだけどね。
でも、人魚だということがバレてはいけない。
そんなことを頭では思っていたけど口が勝手にうん、と答えていた。
笑顔で解散し、私も急いで帰らなくちゃとまた歌い、人魚の姿に。そして、海に入った。