第2話

危機
55
2022/03/06 02:43
2話
ザパッ!!
私は、初めての陸へ勢いよく顔を上げた。
そこにはやはり、人間の子が10人ほどいた。
性別も様々で五五の割合だ。
そのうちの3人の男の子は水の中に入っている。
『ないなー。
この辺りだと思うんだけど』
『もうちょっと先行ってくる』
『あっ!ダメだ
そっちら辺からは深くなるんだ。下手すれば溺死ぬぞ。やめとけ、やめとけ』
このキーホルダーを探しているようだった。
どう渡すかなと悩んでいると…。
『なんか向こうに誰かいないか?』
『それ思った。さっき音したし』
『誰か溺れてるんじゃねーのか??』
『ちょっと人数数えてくれ』
一人の女の子が数え出す
『たしか今日は10人だよね。
まず、水の中に入ってる3人で1、2、3っと。そして今ここにいる4、5、6、7、8と私で9』
『あれ、1人足りなくね?』
『やっぱり溺れてるんじゃない?早く助けてあげようよ』
そう言うとキーホルダーを探していた3人がこちらに来る。
今から泳いでも姿を見られるし、何よりここは浅い。泳げやしないわ。
そう思っていると…。
『あー、大丈夫か…?』
声をかけてきた
『太陽に照らされ、まるで夢を見ているかのような感覚ね。ここはたしか、昔通ったいつかの道。今も、ずっと、これからも』
その瞬間ぱあっと辺り一面に水しぶきが舞い上がり、金色の光が広がった。
『お、おい!!』
この現象でさらに慌てた男の子達は走って私の方に来た。
『あ、あの。ごめんなさい!
聞くつもりはなかったの。ただ、出るタイミングを逃しちゃって…。エヘへへ』

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