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第1話

 いい人 / 해찬 
2,613
2023/02/08 11:00



 해 찬 
 해 찬 
 なんか , あったの 



   浮かない顔して座り込む君に
   できるだけ優しい声で問いかける .


   わかってる ,
   僕に何も出来ないことなんて .




 너 
 なんも , 無いよ ~ ㅎ 



   僕に 話そうか , 話さないか ,

   迷った末に吸った息を吐いて ,
   君は静かにそう言った .



   なんでも言っていいんだよ .

   君にしてあげられることが ,
   僕にはそれくらいしかないんだから .



 해 찬 
 해 찬 
 そう?目腫れてるからさ . 
 너 
 え , ぁ … 
 해 찬 
 해 찬 
 はい , ど ー ぞ 



   無理に聞き出す必要もないし ,
   無理に言わせる気もない .


   僕はただ君に
   自販機で買った飲み物を渡す .



   話したいことは
   話したくなった時の為にあるものだから ,

   僕は君が話したくなるまで
   ゆっくりとそばに居るよ



   きっとまた ,
   聞きたくもない話を聞かされることを

   どこかで分かっていながらも .




 너 
 ありがとうございます , 
 너 
 オッパは本当にいい人だね , 



   幼い頃から何度も僕にそう言う .


   " いい人だね "



   僕はただそれに笑うだけ .
   それしか出来ないんだ .

   幾度となく苦しめられてきたその言葉も
   笑って見逃さなければならない .



   そんな立場に着いたのは僕からだ .




 너 
 … やっぱり , 私の事
 そうでもないんじゃないかって 
 해 찬 
 해 찬 
 … 誰が そ ー 決めたのさ , 
 너 
 なんとなく , だけど .. 
 해 찬 
 해 찬 
 じゃあ , まだわかんないじゃん 
 너 
 でも , 



   恋をする君を見ていると , 苦しい .


   見ているだけでいい , と
   僕は一人で大丈夫だ , と

   そう決めたのは僕自身なのに .



   僕じゃない誰かを想って ,
   泣いて , 笑って , 苦しんで ,

   その僕じゃない誰かが
   僕はただただ , 羨ましくて仕方がない .

   妬ましくて仕方がなかった .



 해 찬 
 해 찬 
 大丈夫 , 俺が保証する . 
 해 찬 
 해 찬 
 まだ確信できないことで
 うだうだ言ってないで頑張れよ 



   彼女の耳を触ろうとして ,
   手の位置を頭に変える .


   関わり方も , 変えなければ .



 너 
 おっぱ , 
 해 찬 
 해 찬 
 じゃ , 俺行くね 
 너 
 … ありがとう 
 해 찬 
 해 찬 
 うん . 



   君に手を振って ,
   後ろを振り向いて , 歩く .


   呼び止めてくれないかと ,
   何度期待して , 妄想してを
   繰り返したことか .


   当たり前だけど彼女は


   僕を呼び止めたことなど一度もない .



 런 쥔 
 런 쥔 
 おかえり 
 해 찬 
 해 찬 
 … ただいま 
 런 쥔 
 런 쥔 
 人の心配できるくらい 
 元気そ ー な顔しろよ
 해 찬 
 해 찬 
 今は無理 



   きっと君は覚えていない .


   学校に友達が遊びに来た時 ,

  " 僕たちがカップルみたいだ , "

   とふざけあったことを .



   君はただ笑うだけで ,
   拒否も否定しなかった .

   僕はその日一日眠れなかったのに .
   君は随分と呑気だった .


 런 쥔 
 런 쥔 
 おま , またその歌歌って ..
 聞き飽きたんだけどほかの無いの 
 해 찬 
 해 찬 
 うるさいなぁ … 
 これがお気に入りなの 
 해 찬 
 해 찬 
 なぁに , 一緒に歌いたいの ?? 
 런 쥔 
 런 쥔 
 なわけあるか , !! 




   君は知らないだろうな .

   お酒が飲めるようになって ,
   僕たちの知り合い皆で一緒に飲んだ時 .


   酔った君を迎えに来たアイツに
   僕を挨拶させた時の感情を .


   何故僕が挨拶しなきゃいけなかったのか .



   僕の誕生日だったはずなのに ,
   ちっとも嬉しくなかった日 .



 런 쥔 
 런 쥔 
 あ , そうだ
 ジェノから連絡来てたよ 
 해 찬 
 해 찬 
 何? 
 런 쥔 
 런 쥔 
 飲みに行こ ~ って 
 해 찬 
 해 찬 
 あぁ ~ , 奢り? 
 런 쥔 
 런 쥔 
 割り勘な , バカ 
 해 찬 
 해 찬 
 だよなぁ … ㅎ 




   僕は君を見てるだけで幸せだ .

   君が幸せそうなら僕も嬉しい .



    そんなの嘘だけど .




   あの時 , 僕に挨拶する彼を見て
   君の頭の中を埋め尽くす彼が

   こんな人なんだ , と気付いた時 .


   僕とは遥かに何かが違くて
   比べ物にもならなくて ,

   突然自分が惨めになって



   その人に威張ることも出来なくて

   " あなたをよろしく " 

   そうとしか言えなかった僕は




   君を泣かせる人が付けた傷を


   慰めることしか出来ない .




   会いたい夜も , 待っていた日も ,
   君を好きだという気持ちだけで

   きっと , 幸せなはずなのに


   溢れ出てしまいそうな気持ちを
   押さえ込もうと , 必死になって



   僕は君にとっての " いい人 " に

   なるしか無かったみたいだった .




   だから , あれも , これも , 全部 , 全部







   別に , 君のためじゃないよ




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