第2話

 御伽噺 / 런쥔 
1,784
2023/03/02 15:21




 런 쥔 
 런 쥔 
 何 , 読んでんの 
 너 
 白雪姫 ~  !! 
 런 쥔 
 런 쥔 
 またかよ .. 




   何回も読んだくせに ,
   よく飽きないもんだよな .

   幼馴染のあなたは俺と一緒で
   図書委員であるにも関わらず

   本を引っ張り出しては
   仕事をほっぽりだした .



 런 쥔 
 런 쥔 
 おい , 仕事しろっての 
 너 
 分かってるよ ~
 でも今いい所なの !! 
 런 쥔 
 런 쥔 
 いい所もクソもない , 早く 
 너 
 なんでそんなに急かすの  !! 
 런 쥔 
 런 쥔 
 早く終わらせて
 早く帰りたいからだよ 



   逆にそんなに図書室に居座ってどうする .


   図書委員なんだし ,
   簡単に借りれるんだ .

   借りて家帰ってから読めばいいのに .



 너 
 ん ~ , 分かった分かった ...
 でももう終わるから待って !! 
 런 쥔 
 런 쥔 
 はぁ .. 分かったよ 



   分かりたくもない待ちたくもない
   今すぐ帰りたいけどな , 俺は , !!



   いや , 俺は仕事をしよう .

   何もこいつを
   わざわざ待たなくていいんだ .


   そう思い立った俺は
   返却ボックスに雑に入れられた本たちを
   手に取り元の場所に戻し始めた .




 런 쥔 
 런 쥔 
 どこだっけ , これ .. 



   1人でウロウロするのもつまらないけど
   それしかすることが無いのだから
   俺は1人 , 無駄に広い図書室を歩くしかない .


   あれはあそこ , これはここ , それはそこ .


   分からなくなる時もあるけど
   大抵は覚え始めている .

   その記憶通りになれた手つきで戻しながら
   過ぎていく時間を示す時計を

   ちらちらと横目で確認する .




 런 쥔 
 런 쥔 
 まだか 
 너 
 くぅぅ , いい話 ... 
 런 쥔 
 런 쥔 
 終わったろ , 早く手伝えって 
 너 
 ん ~ 無理眠い ~ 
 런 쥔 
 런 쥔 
 はぁ ... ?? 



   言ってる意味が全く分からない .

   自由なのはいいことだとしても
   自由すぎるのは良くないことだ .


   小さい頃からあなたはこんなもんだけど
   話にならないくらいの自由度だ .


   何ら変わりないのが
   もう , 逆にすごいと言っても
   過言ではない気がしている .



 런 쥔 
 런 쥔 
 はぁ ... 



   基本 " 眠い " となれば
   寝てしまう奴だから

   今起きてと止めても
   あやふやな返事しか返ってこないだろう.


   らしいと言えば聞こえはいいが
   本当を言うならば普通に , 厄介 .

   だるいというか , 面倒というか .



 너 
 ... 


   一人でやるしか無くなった俺は
   本当にゆっくり ,
   ちまちまと本を片していく .

   ちなみに返却ボックスに入れられた本は
   今日に限って多いもんで

   今のところ終わりは見えそうにない .



   さっさと起きてくれないかな .

   いや , 一回寝たら目は開かないから 
   そんなこと願っても無駄だろうか .




 런 쥔 
 런 쥔 
 困った奴 , ... 



   そういえばあなたは
   なんで白雪姫が好きなんだったっけ .

   

   " 王子様のキスで目覚めるんだよ  !! "


   " すっごいロマンチックでしょ ~ !! "



 런 쥔 
 런 쥔 
 ... 余計なことを , 



   思い出してしまった .
   思い出しても意味の無いことを .


   王子様のキスなんかで
   目覚めるはずもないのに

   それがロマンチックだから , 憧れるから , と
   あなたはそれを執拗に読み続ける .



 너 
 んん , ろんちゃ .. 



   遠目で見ていた彼女が
   俺の名前を寝惚けて呼ぶから

   胸が少しだけ苦しくなる .


   それを誤魔化すように大きく , わざと
   ため息を吐いてから

   俺はあなたの隣に座った .



 런 쥔 
 런 쥔 
 や ー , 起きろって 
 너 
 ん ~ ... 



   震える指先で
   彼女の耳に髪の毛をかける .


   無防備に寝やがって .


   わざとなのか , 無意識なのか .




 런 쥔 
 런 쥔 
 バカ 



   俺はそう呟いて
   彼女の唇に触れるだけのキスをした .



   俺がお前の王子になれるなら ,
   どうか今目を覚ましてくれ .



   ... いや ,



   俺がお前の王子になるから ,
   今絶対 , 目を覚ませ .



 너 
 へへ , ろんちゃん .. 
 런 쥔 
 런 쥔 
 ... やっぱわざとかよ 
 너 
 ごめんね , 



   俺にそうして欲しいから ,
   目の前で執拗に白雪姫を読み込んだこと

   目の前で無防備に眠ったこと .


   イタズラな笑みも ,
   目を引くような寂しそうな瞳も

   全て策略だったのだろうか .



 너 
 でも , 気付くの遅いよ , ろんちゃん 
 런 쥔 
 런 쥔 
 … うるせ ー な , 



   でも , 勝ったように笑うから
   多分全て彼女が仕掛けたことなのだろう .



   それもそれで , いいやなんて .

   俺は相当厄介な姫に
   惚れ込んでしまったみたいだった .



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