第11話

Pet Tiger .
832
2020/09/11 10:00































『 ただいま 〜 』















































重い足取りで 家の階段を登って

やっとの思いで 自分の部屋の

ドアノブに 手をかける 。






































『 ふう … 』







ヘトヘトに疲れた体を

ベットに投げやる 。






















































と 、ベランダの窓を

コンコン 叩く音がした 。

はあ … またか … と 思いつつも

窓の鍵を開ける 。





















『 今日はなに ? 』

「 委員会 お疲れ様 〜 」

『 はいはい ありがとう 、』

「 俺も委員会入ればよかったな 〜 」

『 えってかてか なんで来たの ?? 』

「 え ?? 暇だからに 決まってる 」

『 私はいそがしーの っ 』

「 ねえあそぼ 〜

  小さい時みたいにさあ 〜 」









































小さい時は ほんっとに 毎日

遊んでたなあ 〜 と 言いながら

私の机の椅子に座る 彼は

隣の家の幼なじみ 、中村海人 。

幼小中高 と ずっと一緒で

幼稚園生の時から 省かれていた

わたしの 隣に

いつも一緒にいてくれる優しい かいとが

わたしは 小さい時から 大好きだった 。

でも その 大好きの感情は いつしか

恋愛感情に 変わっていた 。

中学3年生の時に 、







『 ねえ かいとは どこの高校行くの ? 』







って 聞くと









「 おれ ?? んーあなたと 同じとこ 」









そう答えてくれた時は ほんとにびっくりして

でも 心の底から 嬉しくて 。

かいとと同じ高校に行けるという事を

希望に なんとか 志望校に受かり 、

かいとも ギリギリだったけど

私と同じ高校に受かった 。

そして 奇跡に奇跡が重なり 、

幼小中高 と 全て

クラスも離れたことがなかった 。

そしてこの現象 。

ベランダから いつも私の部屋に

侵入してくるこのルーティンは

小学生の時から ずっと変わってない 。





























「 おーい?あなた 〜 ?」

『 あっ 、ごめん どうした ?? 』

「 魂抜けたのかと思った 、、」

『 抜けてないです 〜 』































そう言って ベットから腰を上げて

かいとの座っている椅子のある

机へ 向かい 、今日の課題をとる 。

































「 ねーなんかしよー暇ー 」

『 私は課題しますから 〜 暇じゃないでーす 』

「 あ、じゃあ俺もしよっかな 」

『 えっ 、珍しいね ?? 』

「 でも ただ課題するだけじゃ

  やる気出ないからさ 、」

『 賭けでもしようって ?? 』

「 おっ さっすが 〜 !! 」

『 もう何年の付き合いだと思ってるの ?? 笑 』

「 今日って なんの課題出てるっけ 」

『 今日は数学だね 〜 』

「 じゃあ 計算だから

  早く解いた方の勝ち !!

  負けた方が 勝った方の

  お願いとか 無茶ぶりとか 聞く ね ? 」

『 はいはーい 』

「 何でそんなに余裕なの 、笑 」

『 いや絶対勝てる気しかしないから ? 』

「 なにそれ 中村海人なめんなよ ? 」

『 舐めませーん 』



























絶対後悔するからな とか 言いながら

ベランダから 自分の部屋へと

軽々入っていって 30秒もかからず

私の部屋に入ってくる かいと 。

























「 よし 、じゃあいくよ ? 」

『 はーい 』

「 よーい スタート 」






























スタートと同時に 静かになり

シャーペンの芯が砕ける音だけが

部屋に 響く 。















































よし 、あと一問 、あと一問で

かいとに 勝てる …
































































「 はい 、終わり 」

『 えっ !? 』

「 終わりましたよ 〜 」

『 ・・・ わたし 今終わりました 』

「 よっしゃ 、勝った勝った 〜 🎶 」

『 ムカつく 〜 … !! 』

「 危ない危ない 、負けるとこだった 」

『 … お願いは ?? 』

「 あっ お願いね 〜 んんん 〜 」

「 じゃあ … 」































































































    「 俺と付き合って 」




































『 えっ 、!? 』

「 だから !! 俺と付き合って って !! 」

『 ほんとに言ってるの 、? 』

「 俺さ 小さい時からずっとあなたの こと大好きだった 」

「 でも この関係が壊れるくらいなら

  告白しなくても いっかって思って 」

「 それでも やっぱり あなたは

  モテるから どうしようって 、」

「 絶対幸せにするから 付き合って欲しい 」

































私の目を しっかりみて 最後まで

言い切る かいとは 今まで一緒に

いた中で 1番かっこよかった 。





































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