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第1話

ネモフィラ畑であなたに会ったら。
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2020/11/25 16:18
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久しぶり、元気?

もう寝ようかと携帯を置いた時だった。
聞き慣れた通知音と懐かしさを感じる通知バナー。
あなたは少し考えてから、バナーをタップした。

別れてからトークは消してしまったから、まっさらなトークルームに表示される彼の吹き出し。
ーーー何よ、今更ーーー、、、。
早く忘れられるように、とトークを消したあの時の私の勇気を返してよ、、、!
やや早くなった心拍数は、きっとそんな怒りからだ。
決して、忘れられてなかったという喜びなんかではなくて…!
ドクンドクンと強く波打つ心臓に合わせて指先が揺れる。
あなた

久しぶり!元気だよ〜

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よかったよ、このご時世色々心配だからさ。
スワイプする指が止まった。
どういう意味?そう聞いてしまえば、きっと全て終わってしまう。
細くて脆い、たった一本の繋がりはあっさりと手のひらからこぼれ落ちてしまうだろう。
大きく息を吸って、あなたは顔を上げた。
そしてゆっくり息を整える。
その瞬間、ポンっとトークが更新された。
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実はさ、この公園のチケットもらってさ。
よかったら一緒に行かない?
お花畑が有名な公園のURLと共に、送られたメッセージ。
思わずふっと口角が上がってしまった。

ーーーここって、有名なデートスポットじゃない。

どうせ行くって言うとわかってたくせに。
他を誘ってダメだったから私を誘ってるの?
私まだあの時のこと、、、。
あなた

いいよ、ちょうど満開なんじゃないかな?

思いとは裏腹にテンポよく動く指先と口角。
ねぇ、どうしてだろう?
このソワソワ、ふわふわした感覚はあの当時の事を思い出したからじゃないの?
期待しちゃいけないって痛いくらい分かったはずなのにーーー、、、。
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そうだよ、だから早く行かないと。
昔みたいに“また今度”はダメだよ。
あなた

じゃあ、今週末とかはどうかな?

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行ける!家まで迎えに行くよ
時間は、、、

ネモフィラ畑であなたに会ったら。


、、、きっとまた、あなたに恋をする。


ネモフィラ ー あなたを許す

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