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第3話

絶望
ある日の朝に起きた事件。

それは、何処かの町の銀行が強盗されたとか、通り魔事件だとか、外国でテロが起きたとかではない。

唯飼っている愛猫が脱走しただけの話。

でも、俺、霧島 和人にとっては今まで生きて来た中で一番の大事件だった。


その日は、会社で些細なことで失敗し、説教をされた翌日だった。

社会人になって初めて叱られたせいで、切り替えが上手いようにいかず、意気消沈したまま出社しようとして、意を決してドアを開けたのだが、ついうっかりし、我が家で飼っている大事な愛猫のミミが脱走してしまった。

すぐさま俺は追いかける。でも、全力疾走している猫に追いつけるはずもなく、すぐに見失ってしまう。

探したい気持ちが全身を駆け巡るが、会社のこともあるので、仕方なく捜索を諦めた。


仕事が終わり、翌日の明け方まで探したが、見つけることが出来ない。

この状態が長く続くと仕事に影響が出ると思った俺は捜索時間を深夜0時までにした。


そんな毎日が続いて居たある日、会社の同僚から電話が来た。疲労と倦怠で悲鳴を上げている体に鞭を打ち、電話に出る。

すると、同僚の田辺君は何か思いつめたような声で、言いにくそうに開口一番こう言った。


『霧縞のとこの猫、ミミだよな? それっぽいのが死んでいるの、今日見かけた……』


瞬間、例えようのない衝撃が全身を駆け巡った。