高校3年。夏の、ひまわりが咲いた時期。
親の都合で、転校することになった。
前の席にいた、
いつも笑顔で、明るくて、ひまわりみたいな彼、
ニコッ と笑う彼。
その日から、少しだけ、どこかに海人くんがいた。
帰り道。
ひまわりを探すのに必死で、無我夢中で駆け回った。
ひまわりが、大好きだから。
家の近くの公園の奥に、ひまわりがたくさん。
なんだか、ヘラヘラしてる?笑
なんて思ったけど、
とにかく、海人くんは、
ひまわりみたいな笑顔で、笑いかけるんだ。
でも、そんな君といるのも、悪くないなぁ…って、思い始めた。
あれから1ヶ月もたった。
また今日も、ひまわりを見に、やって来た。
そしたら、海人くんの姿が。
1ヶ月もたつ今、
海人くんは、呼び捨てにまで、呼んでくれるようになった。
もう、恋してるんだろうなぁ…ってぐらい、ドキドキしてる。
ひまわりみたいだから、好き。
そんな感情じゃない。
もっと別な、理由。
全てが。なんて言えるくらい、大好きなんだ。
何か、あったのかな?
なんて、思ったりもした。
いつもの笑顔は、どうしたの…?
いつも笑わせてくれるのに、なにかあったの…?
とにかく、元気づけたくなった。
そう聞いたとき、どれだけ悲しくなったか。
海人くんがジャニーズなら、
恋なんか、無理に決まってる。
だって、本気で好きになっちゃったから。
付き合えたらいいな、なんて思っちゃったから
どうしたらいいの?この思い
なわけ、ないじゃん
そんな真顔で問いかけるから、
本気でそう思ってるから、答えたんだ。
その言葉が、本当になったんだ。
海人くんは、本当にデビューした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。