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第1話

ひまわり
1,520
2018/12/26 08:52
あなた

あ……ひまわり、咲いた




高校3年。夏の、ひまわりが咲いた時期。









親の都合で、転校することになった。

















あなた

〇〇高校から来ました、日山あなたです。
よろしく、お願いしますっ












前の席にいた、

いつも笑顔で、明るくて、ひまわりみたいな彼、




海人くん
海人くん
俺、髙橋海人
あなた

よろ、よろしくお願いしますっ!

海人くん
海人くん
うん!






ニコッ と笑う彼。






その日から、少しだけ、どこかに海人くんがいた。













帰り道。







ひまわりを探すのに必死で、無我夢中で駆け回った。




ひまわりが、大好きだから。











あなた

あった…、!

あなた

わぁ、きれーい…




家の近くの公園の奥に、ひまわりがたくさん。






海人くん
海人くん
あれ、あなたちゃん?
あなた

あ、海人くんっ!

海人くん
海人くん
な〜に見てんのっ!
あなた

えっと、ひまわり…!!

海人くん
海人くん
好きなの?ひまわり
あなた

うん…っ!!すっごーく!!
小さい頃から、ずっとひまわりが大好きで…

海人くん
海人くん
へぇ〜。ひまわり、綺麗だよね。
あなた

うん、!!

海人くん
海人くん
俺、ひまわり目指そっ…!笑
あなた

え?笑 なにそれっ…笑

海人くん
海人くん
ふはは、笑笑  わっかんねぇ〜笑





なんだか、ヘラヘラしてる?笑


なんて思ったけど、




とにかく、海人くんは、


ひまわりみたいな笑顔で、笑いかけるんだ。













でも、そんな君といるのも、悪くないなぁ…って、思い始めた。






























あれから1ヶ月もたった。





また今日も、ひまわりを見に、やって来た。









そしたら、海人くんの姿が。





あなた

海人、くん…?

海人くん
海人くん
あ、あなた





1ヶ月もたつ今、


海人くんは、呼び捨てにまで、呼んでくれるようになった。








もう、恋してるんだろうなぁ…ってぐらい、ドキドキしてる。






ひまわりみたいだから、好き。

そんな感情じゃない。




もっと別な、理由。

全てが。なんて言えるくらい、大好きなんだ。








海人くん
海人くん
ほんとだね、あなたの言う通り。

ひまわり見てたら、気持ちがやわらぐ
あなた

うん…




何か、あったのかな?



なんて、思ったりもした。









海人くん
海人くん
俺、なんか最近うまくいかなくて…
あなた

悩み事、?

海人くん
海人くん
うん。



いつもの笑顔は、どうしたの…?




いつも笑わせてくれるのに、なにかあったの…?







とにかく、元気づけたくなった。





あなた

あなたでよかったら、話…聞くっ

海人くん
海人くん
え、いいの…?
あなた

うん、!

海人くん
海人くん
ありがとっ。
海人くん
海人くん
あのね、俺
あなた

うん

海人くん
海人くん
ジャニーズなんだ。






そう聞いたとき、どれだけ悲しくなったか。









海人くんがジャニーズなら、

恋なんか、無理に決まってる。







だって、本気で好きになっちゃったから。




付き合えたらいいな、なんて思っちゃったから







どうしたらいいの?この思い







海人くん
海人くん
ごめんね、ジャニーズだって、言ってなくて
あなた

だいじょ、ぶ…




なわけ、ないじゃん





海人くん
海人くん
俺ね、Mr.KINGってゆーJrでさ。
海人くん
海人くん
なんかいろいろ、うまくいかなくて
あなた

あ、だから…最近たまに居ないんだ。

海人くん
海人くん
そうそう。
海人くん
海人くん
俺に会えなくて、さびしい?



そんな真顔で問いかけるから、




あなた

さび、しい…



本気でそう思ってるから、答えたんだ。





海人くん
海人くん
ふへ、笑笑
ありがと ガチで答えてくれんじゃん笑
あなた

だ、だって…笑

海人くん
海人くん
まぁ、まぁ…そんなことがありましてっ
海人くん
海人くん
でも俺、頑張るからね!
絶対デビューしてやるしっ




その言葉が、本当になったんだ。







海人くんは、本当にデビューした。


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