sideねぎりょー。

昨日、見事にもちと付き合うことになった。

こんな少女漫画…いやBL同人s…(((

みたいな展開あるのかなってぐらい、完璧すぎる流れだった。

もうすぐにでも死ねるぐらい、幸せだった。

その一瞬だけじゃなくて、今でもずっと幸せのままだ。

くすぐったくて、ふにゃふにゃするような、

痒いところに手が届いたような。

まぁさっきの死んでもいいは嘘だったかなw

まだもちとはイチャイチャしたりないし…

息が苦しい。

発作だ。

咳が止まらない。



足もフラつく。

嘘だ。薬は今朝飲んだはずだし

今も持ってるだろ＿＿＿＿

ﾊﾟﾊﾟｰｯ!!

クラクションの音がする。

あれ、なんで俺倒れて＿＿＿＿

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sideチハヤ

今日はあるよにで集合のはず。

昨日上手く行ったのか、話を聞こうとあるよにハウスまで2人で行こうという話になった。

ただ、あの時間にはシビアなねぎさんが、15分も遅れている。

なにかあったんじゃないか。と思い、ねぎさんに電話をかける。

ｶﾞﾁｬｯ

聞こえてきたのは、俺が望んでいない、

他の誰かの声だった。

ﾂｰｯﾂｰｯ

まさか…また発作…！？

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その後猛ダッシュで病院に行き、待合室で待っている時に、フレントともちさんにLINEをした。

フレントはすぐに既読がついて、「すぐ病院に行く」と返信をしてくれた。

一方もちさんは、ぜんぜん既読がつかず、待ちぼうけだった。

その後の言葉を詰まらせて、先生は颯爽と廊下を歩いた。

部屋のドアを開けると、沢山の管に繋がれたねぎさんが、そこにいた。

沈黙に耐えきれず、俺は最初で最後、ねぎさんの手を握った。

ねぎさんの手は、まだ温かくて、すこし筋張ってすらっとした、綺麗な手だった。

声が震えた。それもそのはず、目の奥が熱くなって、視界が馴染んだ。

左目から熱いものが流れて、白いシーツにシミを作った。

その時、安定したリズムがゆっくりとしてきた。

「まさか」と思った。ねぎさんにはまだ生きて、幸せになってほしいのに。

そのゆっくりとしたリズムは、どんどんゆっくりになって、

30秒ぐらいだろうか。リズムを全く刻まなくなった。

涙がポロポロと頬を伝って落ちていった。

ねぎさんが亡くなった。

そんなの、受け入れたくない事実だ。

でも、その場所は、紛れもない現実だった。

後ろを振り向くと、フレントがいた。

いろいろと察したようで、彼もベッドに駆け寄った。

震える声を必死に押さえて、声を出した。

フレントは、涙を流す事さえも忘れて、ただただ絶望の表情を浮かべていた。

フレントは、静かに俯いた。

ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ!

もちさんは、全身の水分を出す勢いで、泣いていた。

そりゃあそうだ。長年の片想いの相手とようやく付き合えたというのに、突然その命が亡くなってしまったのだから。

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sideねぎりょー。

優しく手を握られて、自分が死にかけてることに気がついた。

誰の手だろう…気になるけど、目を開けて確かめる事も不可能になっている。

「……さん…！……ぎさ……！」

この声は…チハヤかな？

声と意識が遠のく。一定のテンポを刻んでいた不思議な機械音は、だんだんゆっくりになっていった。

「あぁ、俺いよいよ死ぬのか。」

さっき言った「死んでもいい」は冗談だってば…