第8話

#7
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2023/10/23 15:41
壱馬 side






シート越しの自分のファンに求めてることをしてあげる


ただそれだけだった


何枚も積んで回ってくれたり、

沢山の場所に来てくれたりしてくれてる子は必然的に覚えてしまうのであって。


あなたもその1人だった


壱馬
はじめて?ありがと

今日はじめて来た!


というカンペに手を合わせるジェスチャーと共に
反応したのがはじめましてだった

その子はいつの間にか
その日の最後の一人になっていて、

何となく顔を覚えた
その子が次に来てくれたのは1週間後だった

壱馬
あれ、前も来てくれたよね?
そう声をかけると顔を赤くして
あなた
え、覚えてくれてるの、?
壱馬
あたりまえやん、笑


そこからだったかな。


あなたが沢山"好き"って伝えてくれるようになったのは


その日もまた最後の一人で、
また来るねとだけ言って帰って行った



今日の最後の壱馬さんのファンさんめっちゃ壱馬さんのこと好きですよね
壱馬
やろ?毎回好きって言ってくれるねん、
伝わってるつーの、笑



まあそこが可愛かったりすんのかな、なんて

翔平
あの子いつもしょへファンの子と二人で来てくれてるんすよ~!
壱馬
ああ、梨花ちゃん、やっけ?


その子はいつも自分の名前を言ってるから覚えた



そういえば…、名前なんて言うんやろ
また来てくれた時、名前聞こう



そう決めたのに
その後のイベントに来てくれることは無かった

次のリリイベまで持ち越しになってしまったのだ



……壱馬さん、不服そう
壱馬
ああ、不完全燃焼や



次のリリイベであなたを見つけた時

直ぐに自分から名前を聞いたのは言うまでもない


そのシーズンのリリイベであなたは沢山顔を出してくれて


CDの売上にも貢献してくれてるし
最後の方は俺らに気を使ってくれるし

頭が上がらない程だった

あなた
ねぇ、顔色悪いよ、大丈夫?
壱馬
え……

唐突にそれを言われた時はびっくりした


正直連日の仕事続きで大分体にキてた日で、
でも頑張らないと、と気を入れ直したばかりだった
迷惑かける訳にはいかない、と誰にも言わなかったし
誰にも気づかれなかったのに。



……えぐいなこの子

俺の中でのあなたの存在が大きくなっていったのはそのくらいだっただろうか

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