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第1話

1 (ほんの少し🔞)
1,721
2022/05/28 14:48
俺はΩが嫌いだ。




細い路地から、男のか細い喘ぎ声が聞こえてくる。
モブ
モブ
ッ、ふッ、…ぁ、やめッ…てッ…///
槇原 優羅
槇原 優羅
………………、







気持ちわりぃ。
発情してただただ鳴き続けるΩも、それに群がるαクズたちも。
「可哀想」「助けたい」なんて感情、1ミリも湧いてこない。
男の声を無視し、学校へと早足で向かう。
朝の学校は大人しい。


校内には朝練をしている部活動の生徒しかいないからだ。
強く吹き付けてくる風に苛立ちを覚え、早く室内に入ろうと生徒用玄関に行こうとしたその時。
?
ッぃ…
槇原 優羅
槇原 優羅
ッ!?
どこかから、ひとつの声が聞こえた。
誰かいるのか……?こんな時間に……?
気にせず中に入ろうと思ったが、声と音の正体が気になり、
気がつけ校舎の裏に向かっていた。





碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
ぅッ、ん……?
槇原 優羅
槇原 優羅
ッ、ぅ、わぁ…!!?
校舎の裏に行くと、そこには素っ裸のまま縄で縛られた男が横たわっていた。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
…誰だ…?あんた。
男は俺に驚くこと無く、
表情1つ変えずそう尋ねてくる。
…俺の平和主義センサーが言っている。「絶対に関わるな」と。
俺は男から背を向け、逃げようとする。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
おい、どこ行くんだよ。
槇原 優羅
槇原 優羅
ビクッ え、と…あは、は…
男の低い声に思わず肩が震える。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
なぁ〜、この縄、解いてくんね?昨日からずっとこの状態でクソいてぇんだわ。
槇原 優羅
槇原 優羅
昨日からッ…!?
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
そ。昨日から。縄ギッチギチでさ。
槇原 優羅
槇原 優羅
はぁ…、
思わず会話をしてしまった……。


やめろ、槇原優羅まきはらゆうら。関わるな。
大丈夫。相手は身動き取れない。
今なら逃げても追いかけられたりはしないんだぞ。
ズルっと後ずさる。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
ね〜ぇ、聞いてんの?別に逃げてもいいけど、先生呼んじゃうよ?
槇原 優羅
槇原 優羅
人呼べるんならそうすりゃいいじゃないですか…。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
先生呼ぶとめんどいことになるんだって……。
男は先生が来たことを想像したのか、
げんなりとした表情を見せる。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
お願い……。この恩はぜっっっったい返すから!
槇原 優羅
槇原 優羅
はぁ…分かりましたよ。
解けばいいんでしょ。解けば。
ここで逃げた方が面倒になると判断した俺は、
仕方なく男の縄に手をかけた。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
お、さんきゅ。ほら、あのハサミ使いな。
男が顎で指した先には鋭いハサミが落ちていた。

なぜこんな所に落ちてるのかという疑問もあったが、もう突っ込むのも面倒くさなったため、何も言わずハサミを手に取った。
ザクッザクッと縄を切っていく。
縄を解いた体は、ミミズが這ったように縄の痕がくっきりと残っていた。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
ッぃてッ……
槇原 優羅
槇原 優羅
…大丈夫ですか。
さすがに体が心配になり、そっと声をかける。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
あぁ、大丈夫。大した怪我もないしな。
ありがと。
槇原 優羅
槇原 優羅
いえ、無事なら良かったです。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
…………
男は少し目を見開いて、じっと顔を見つめてくる。
槇原 優羅
槇原 優羅
ッ、なんですか?
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
あんた、良い奴だな。なんか申し訳なくなってきた。お礼にフェラでもしてやろっか?
槇原 優羅
槇原 優羅
……はぁ?なに言ってッ……
一晩中縄に縛られてたせいで頭逝ったのか…?
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
ははッ、冗談だよ。マジで受けんなよ。
黙り込んだ俺を他所に男は自身の体を見つめた後、
大きく伸びをする。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
そんじゃ、ありがとな。
槇原 優羅
槇原 優羅
ちょ、ぇ、どこ行くんですか。
ヒラヒラと手を振りながらその場を去ろうとする男に慌てて声をかける。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
どこって…コンビニだけど。腹減った。
槇原 優羅
槇原 優羅
素っ裸でですか?捕まりたいんですか?
男は数秒固まったあと、ハッとしたように自分の体を見る。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
そっか、俺今裸なのか。
槇原 優羅
槇原 優羅
いや…気づけよ。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
んじゃあ、お前の服貸してよ。
槇原 優羅
槇原 優羅
あなたの代わりに俺が裸になれと?
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
この時間じゃ誰もいないし大丈夫だろ。
槇原 優羅
槇原 優羅
絶対嫌です。
っていうか、自分の制服はどうしたんですか。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
どっか行った。
どうやったらどっか行くんだよ。
かと言ってこのまま放置してたら本気で裸で行きそうだな、
この人。
槇原 優羅
槇原 優羅
分かりました。俺のジャージ貸すんで、ちゃっちゃと行ってきてください。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
おぉ、ありがとな。
俺がジャージを渡すと、男がそれを受け取る。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
…ノーパン?
槇原 優羅
槇原 優羅
当たり前でしょう。下着なんて持ち歩いてないですよ。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
ジャージの生地ってゴワゴワしてんから、ちんこ擦れて痛いじゃん。
槇原 優羅
槇原 優羅
…知らねぇし…。文句あるなら全裸で行け。
なんで俺は出会ってほんの数分の相手に自分のジャージをノーパンで履かれなくちゃいけないんだ。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
まぁいいや。
じゃあ、行ってくっから待ってろよ。
槇原 優羅
槇原 優羅
はいはい、待ってm…
…いや、待つ必要なくね?
男は床に転がっていた財布を片手に持ち、コンビニへ歩いていってしまった。

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