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第9話

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2022/06/04 08:31
槇原 優羅
槇原 優羅
行ってきます
母さんに挨拶をして家を出た。
今日は少し早めに家を出れた…。
前のように遅刻することは無さそうだ。
安心しながら学校に向かう。
今日もまた路地の脇で誰かの喘ぎ声が聞こえたが、
気にせずに学校に向かう。
そろそろイヤホンでも買おうか…。バイト代も溜まったし…。
そんなこと考えている合間に学校に着いてしまった。
今日は授業数多いんだよなぁ…なんて思い、
思わず顔を顰めてしまう。
教室のドアを開けると、既に1名誰かが教室にいた。
だがおかしい。そいつが座っている席は俺の席だ。
席を間違えているのか?
声をかけようと近づくと、
そいつはバッと俺の方を振り返ってきた。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
…!✨
槇原 優羅
槇原 優羅
ぅッ…げ…
……碓氷先輩……。


先輩とは体育倉庫で会ったあの日以来、
1度も会話を交わしていなかった。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
おぉ!槇原くんじゃ〜ん♡
槇原 優羅
槇原 優羅
…すみません、クラス間違えました。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
違くないよ〜ここ、槇原くんのクラスだよ。
槇原 優羅
槇原 優羅
…何の用ですか。
なんで朝からこの人と顔合わせなくちゃいけないんだよ。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
今ちょっと優秀なαくんに追われててさ…。
逃げ場としてここの教室使わせてもらってんの。
槇原 優羅
槇原 優羅
……なんでもいいですけど、勝手に人の席に座らないでください。さようなら。
グッと立ち上がらせて追い出そうとするが、先輩は中々言うことを聞いてくれない。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
いいじゃん、あとちょっとだけ。お話しない?
槇原 優羅
槇原 優羅
あんたと話すことなんかないです。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
俺はある。
槇原 優羅
槇原 優羅
…はぁ……なんですか。
俺がため息をついてそう聞くと、先輩は話し出した。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
君、Ω嫌いって前教えてくれたよね。
なのになんでこの前俺のことを助けたの?
槇原 優羅
槇原 優羅
…そんなことですか。…別に、嫌いだからって……目の前で苦しんでる人見捨てたりしませんよ。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
嘘つき〜。毎朝、Ωが犯されてるのを見て見ぬふりしてんの知ってるからね。
槇原 優羅
槇原 優羅
……もう、なんだっていいだろ……、
ほっといてくれよ!
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
怒っちゃった?ごめんね、怒らせるつもりはなかった。
槇原 優羅
槇原 優羅
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
それで、さ。ここからが本題なんだけど…。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
俺の恋人(仮)になって欲しいんだ。
槇原 優羅
槇原 優羅
は…?
突然の言葉に思わず固まってしまう。


この人…なんて言った…?恋人…?ふざけてんのか…?
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
さっきも言ったんだけど、俺はαに目をつけられてる。その理由の1つは番のいないΩだから。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
そこで…βである君にうなじを噛んでもらって、偽の番として過ごしてもらいたいんだ。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
番が出来たと見せかければ寄ってくるαが減ると思うんだよね。
槇原 優羅
槇原 優羅
勘違いしないでください。あんたを助けたのは、あんたに好意があったわけじゃない。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
分かってるよ。
…それでも、お前に頼みたいんだ。
槇原 優羅
槇原 優羅
…だいたい、βの俺がうなじを噛んだとしても番は成立しない。あんたが発情期を迎えることには変わりないんですよ。発情期が来れば、番がいないなんてαに一瞬でバレますよ。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
そうだな。…じゃあお前が俺の傍をずっと付くっていうのはどう?俺の発情期きても、αから俺を守ってよ。
槇原 優羅
槇原 優羅
……嫌です。絶対に。今すぐ帰ってください。
碓氷 雪弥
碓氷 雪弥
……そう。まぁいいや。考えたおいてよ。
と、碓氷先輩は机の上にLINEのIDが書かれたコンドームを置いて帰って行った。
なんなんだよ…あの人…。

Ωが嫌いって言ってるのに…近づいてきやがってッ…
終いの果てには偽の番?ふざけんな。


絶対にやるわけねぇだろ、そんなこと…。

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