第22話

お泊り
2,035
2020/04/13 01:58
大吾side


…寒い


うっすら目を開けると



俺の布団が隣の大橋にはぎとられていた










取られた…










そのまま引っ張り出そうとしたけど







大橋にがっちりつかまれて無理やった






しょうがないから、おおにっちゃんの布団に入れてもらお









…ん?







電気ついてるやん







消し忘れたんかなw




まぁ、消しとこ





そう思ってソファーに近づいた






『…あなた?』




ソファーの上で丸くなって震えてるあなたを見つけた







ごめん、起こしちゃった?



なんて言ってる君の笑顔は怯えて冷たかった










『ベッドで寝ないの?』



そう聞いたら





なんか、目覚めちゃって







苦笑しながら言う君は






あきらかに様子が変だった








俺に怯えているような、威嚇するような







言葉では言い表せないような雰囲気を醸し出していた








俺は絶対なにかあったと思って




『どうした?』




って言ったら君は







別に…なんて言ってるけど







その頬は冷たく濡れていた







なんかあったんやろ?、俺でよかったら教えてくれへん?





君は頑に黙ったまま




溢れてく涙を隠すように顔を伏せた












俺は君の隣から離れなかった







離れてはいけないような気がして









20分ぐらいそうしていたら、君が口を開いてこう言った









『夢を見るの。…みんなに虐待される夢』










俺は驚いた








何も言えなかった










それと同時に俺は、君を抱きしめていた








俺の腕の中で震える君が









『ごめんね』








そう言うから









俺の眼からも水が溢れてきたやんか






あぁ、情けないな  






夢を見たのはあなたなのに






君は安心したのか、俺の胸の中で眠っていた






俺は君の頬の涙を拭い、





大丈夫。俺が守ってやるから。





一人、呟いていた。


















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