横山がやけに次の言葉をためるから思わず緊張して息を飲む
横山「空、飛びたい」
..
『は!?』
横山「じょーだんやてじょーだん笑」
『ほんまのピーター・パンかよ笑』
期待してそんした..
あれ?
私なんの期待しとったんやろ
『え、じゃあほんまは?』
横山「んー言わないでおく」
『なんやねん、それ笑』
横山「あなたかて言うとらんやんけ」
『ま、秘密ってことで笑』
そーこーしてるうちに家についた
横山「じゃ、また学校でな」
『おん、またね!』
手を振ると横山は
今来た道を自転車にのって去っていった
『ただいまー』
母「お帰り、横山くんの声したけどそこまで来てたの?」
『おん、送ってもらった』
母「さすがね、しっかりしてるわ」
母「弟さんもいるしお母さんはやくに亡くしてるから「しっかりしなきゃ」って思ってるんでしょうね」
あ、そっか..
思い出した
そして分かった気がした
横山がふと漏らした「子供になりたい」って
言葉の意味が
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!