第28話

21ー③
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2019/04/03 12:00


もうそろそろ開けていいかと思い、私は目を開けることにした。



視界の先には、アイツがいつものS笑いを浮かべながら、金属のチェーンを右手に握っているのが見えた。



あなた

………………何持ってんの?あんた。

沖田総悟
沖田総悟
何って、見りゃわかるだろィ?首輪でさァ。
あなた

どこから持ってきたんだよそれ。ていうか、何でこんなものつけなきゃいけないの?

沖田総悟
沖田総悟
あんたは俺の雌豚だからでさァ。
あなた

いやいつから私あんたの雌豚にされたの。
それに豚には首輪なんてつけません。

沖田総悟
沖田総悟
あれ、あんた前に俺に、「私を貴方の雌豚にしてください」って言いませんでしたっけ?



あれ………?私そんな事言ったっけ?



あ、あれだ。前に神楽ちゃん達と将軍様ゲームやって、それでアイツに嘘コクしたんだったわ。



チッ、まだ覚えてたのかアイツ。




「月です隙あってください」と言い間違えただけで貴方の雌豚にしてくださいなんて言ってないけどな。




あなた

そんな事は言ってないからこれ取って?首締まるから!

沖田総悟
沖田総悟
下手に暴れるとそりゃあ首締まりまさァ。おとなしく従っていれば死にゃしませんぜ。
あなた

やだやだやだ!早く取って!死にたくないよう!でも従うのもやだあー!



と、いつもより声のキーを上げて叫んだ。


沖田総悟
沖田総悟
おとなしくしていれば、あんたの大好物のこれいくらでもおごりますぜ?



と言ってアイツは、私の超絶大好物の「フリーズドライいちご」の袋を取り出した。



あなた

うおおおっ、まじですか!じゃあそれよりも高い「フリーズドライ三種ベリー」と、生のいちごもついでに買ってくれない?もちろんあんたの金で!

沖田総悟
沖田総悟
買うのはいいですけど、それはOKととっていいんですかィ?
あなた

ははは!良いわけねーだろォォォ!!



と、力ずくで首輪を引きちぎり、「フリーズドライいちご」を引ったくろうとした。




だが、地面に着いた金属チェーンを踏んで前のめりに倒れた。


あなた

んごあっ?!

ガツンッ

ドサッ






あなた

痛…………

と、顔を上げると真ん前にアイツの顔があった。


どうやら私がものすごい勢いで倒れたために、受け止めきれず、私がアイツを押し倒してしまったらしい。


あなた

わっ、ごめん!怪我ない?あ、無さそうだね。じゃあいちごは貰ってくよ。



と言って立ち去ろうとしたら、突然腕を掴まれ床に叩きつけられた。



あなた

んぎゃっ?!いったいなー。

沖田総悟
沖田総悟
…………本当に危なっかしい奴。



アイツは顔を近づけ、私の額にちゅっとキスを落として立ち去った。






…………え?ちょ、え?あれ…………?


待って、状況が飲み込めない。


それにしては心臓がばくばく鳴ってる。


顔もやけに熱い。


私、アイツに………………



あなた

ぎゃああああああああああああああ!!

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