第27話

21ー②
4,086
2019/03/14 22:13
カチャッ









あなた

んん?


今…………何が起きた?



よく見ると、アイツの右手には見覚えのある眼鏡があった。


あなた

あれ?それ私の眼鏡じゃね?

沖田総悟
沖田総悟
そうですけど、あんたもしかして気づかなかったんですかィ?
………あれ、これ度が入ってないじゃないですかィ。


まずい………怪しまれるか。だて眼鏡なんてかけてたら。

沖田総悟
沖田総悟
あんたもしかして、眼鏡取ったら美人だったっていういかにも少女漫画的なモノを狙ってたんですかィ?













うん、コイツがアホで本当に良かったわ。




あなた

んなわけあるか。

沖田総悟
沖田総悟
まあ、こうしてみるとなかなかの美人ですねィ。こんなのかけるなんてもったいねーですぜィ。


ん、あれ今美人って言った?あれ今言ったよね。

わはははははははは←←←


驚いたか!

沖田総悟
沖田総悟
やっぱりコイツは俺の雌豚にピッタリだ。
あなた

………………は?


雌豚って………なるほど。だからコイツ、"サド"ってあだ名が出回っているのか。



というか、さっきから気になってることが………。




あなた

ねえ………近くね?




そう、さっきからアイツは私の顔を覗きこんでる。
下手したら互いの鼻が触れるくらいの至近距離。









反射的に後ずさったら、そこは壁だったらしく、頭をぶつけた。




あなた

いっでぇぇぇぇぇぇ!

沖田総悟
沖田総悟
あんたドジにも程ってのがありまさァ。


と、半分呆れた顔をしてアイツは私に手を伸ばし、起こしてくれたと思いきや、全身に鈍い痛みが走った。





というのは大げさで、全然痛くはなかったが、その時自分は壁に押し付けられていることを知った。




あなた

ごめんよ。私少女漫画卒業しちゃったからこーいうのよく分かんないわあ。

と、誤魔化すように私は言う。



だが、それは嘘だ。少女漫画は今も好きで読んでる。


だからこれがどういうものかというのも、なんとなく分かる。

沖田総悟
沖田総悟
じゃあ前は見てたってことですよねィ?
とりあえず目ェ瞑れ。
あなた

は?

沖田総悟
沖田総悟
いいから瞑ってくだせェ。


瞑る………まさか………………!



え、待ってまだ心の準備できてない!


目を瞑るって言ったらアレだよね、うん。


いやなんで私?


っていうかアイツもしかして………?


なわけないか。てか私も違うし。


まあ、こういうのに乗ってみるのも悪くはないか。
あなた

はい。

沖田総悟
沖田総悟
なんかやけに素直ですねィ。


とアイツは囁くように言い、私の首筋あたりに触れる。


背筋がぞくっとした。

さっきから心臓の音がやけにうるさい。

鼓動が早鐘のように鳴っている。





好きでもないのに、なんだこの気持ち悪い感じ………。




















ガシャンという重い金属音が聞こえたのは気のせいだろうか。

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