第9話

5,210
2018/11/09 09:33
あなた

ここ…………どこ?

沖田総悟
沖田総悟
どこって……俺の家でさァ。

玄関に入る


あなた

待って、靴脱いでない。

沖田総悟
沖田総悟
へーい。


沖田の家は案外質素だ。

ほとんどが和室で畳が一面に広がっている。


沖田総悟
沖田総悟
そこに座ってな。


私は、近くのソファーに座った。
畳にソファーって変な感じ。




数分経って沖田が戻ってきた。

沖田総悟
沖田総悟
こりゃひどいや。
オメーはどんな打ち方したらこうなるんでィ。


そういいながら消毒液を傷口に塗る。

あなた

痛いっ!

私は度々悲鳴をあげたが、沖田は気にもしてない様子で上手に包帯を足に巻き付ける。
あなた

上手いね。包帯巻くの。

沖田総悟
沖田総悟
そうですかィ?
よく人を包帯で上手に縛りつけるから次第になれていったかもしれないな。
あなた

いや、やめときなよ。人を包帯で縛ってんの?恐ろしいねアンタ。

沖田総悟
沖田総悟
いやー、それほどでもー
あなた

褒めてないから(笑)



それっきり二人は何もしゃべらなかった。



当たり前だが、話さない沖田は想像以上に静かだ。何か話したそうでもなく、ドSがみなぎってるわけでもないごく自然な沖田は初めて見た。



地味な生活をしてたにしても、同じクラスであるからなにかと目にはつくし、いくらか話したこともある。だからこそ今の沖田は別人のように感じる。




それにしても大きな目をしていて綺麗……。
ってなに考えてるの私。

沖田総悟
沖田総悟
よし、できた。
あなた

…………ありがとう。

沖田総悟
沖田総悟
他に怪我はしてないんですかィ?
あなた

うん、大丈夫。

沖田総悟
沖田総悟
本当ですかィ?脱いでみせてくだせェ。
あなた

はあああ?!セクハラは止めてください!
訴えるぞ!

沖田総悟
沖田総悟
へいへい、冗談でィ。
家まで送りまさァ。
あなた

え、いいのに!
大丈夫だよ1人で帰れる。



だが痛みでうまく動かない。

沖田総悟
沖田総悟
無理じゃねーですかィ。
じゃ、道を教えてくだせェ。

と言ってあなたを抱き上げた。

あなた

ちょっ!やめて恥ずかしい!
降ろして!帰れるから!

沖田総悟
沖田総悟
へーえ、恥ずかしいのー?
なんならオメーの醜い姿もっとさらしてやろーか。
あなた

ふざけるなァァァァァァ!このクソドSめ!



結局私は抵抗できず、いや…………。本当のことを言うと抵抗しなかった。


















抱き上げられるのは初めてだ。
恥ずかしくて、だけど少し嬉しいような気もした。
私、おかしくなったのかな_____。

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