第32話

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2019/05/12 04:48
日野さん(ぴーちゃん)
日野さん(ぴーちゃん)
あっごめんね沖田君っ!
私が鍵返すからぁ、帰ってて大丈夫だよっ!


おう…………。態度変わったよ(笑)




沖田総悟
沖田総悟
いやここから出させるまで俺帰れねえから勘弁してくだせーよ。
日野さん(ぴーちゃん)
日野さん(ぴーちゃん)
あっそぉなんだぁ!じゃあ、一緒に返しに……
沖田総悟
沖田総悟
あれ、なんでここに俺の雌豚がいるんでィ。



ちょっ、お前空気読んでよ!


どうみてもこの光景、わかるでしょ?!

ねえ!!



あなた

別に。あんたに雌豚雌豚言われて傷ついちゃって屋上で飛び降り自殺図っただけ。



と言って、アイツからもらった(正式に言えばかっさらった)干しいちごを二枚つまんで食べた。



うん、まあ普通に美味しい。


なんか少し甘ったるい気がするが。









沖田総悟
沖田総悟
あれっ傷ついちゃったんですかィ。てっきり喜んでたのかと思ってやした。
あなた

んなわけないでしょ!もう私に関わらないでよ。



なんでそんなに私に関わろうとするの。


今まで自分のことと、演劇部のこと以外なにも考えていなかったのに、アイツのことを今更知ってからおかしくなってしまった。



根拠がなくともあの半グレ集団の一員だって言いふらされたら、神楽ちゃん達からもきっと今までみたいに仲良くできない……


確実に絢子からも嫌われるじゃないの……


というか、ここにいられなくなってしまう……



沖田総悟
沖田総悟
何言ってんでさァ。雌豚に拒否権はないですぜ。


屋上から立ち去ろうとした私をいとも簡単に捕まえ、アイツに持ち上げられた。


沖田総悟
沖田総悟
日村さん、でしたっけ。後は俺がこいつを何とかするんで安心して下せェ。あ、ついでに鍵返しといて。
日野さん(ぴーちゃん)
日野さん(ぴーちゃん)
えっちょっと、沖田君っ!


と言ってアイツは私を抱えたまま、屋上を下りていった。








あなた

ねえ!早く下ろして!どこ連れてくつもりなの!?




私はそう叫んだが、アイツは何も言わなかった。



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