第12話

番外編①
3,067
2021/07/17 04:38
本編の途中で番外編ぶっこみます

いや、思ったよりイザナとあなたちゃんが絡んでくれなくて…

しかも、マジで恋愛要素ないし…

てなわけで、今回は少しイチャイチャ…(とまではいかないけど)させたいなーっと思ってます!


____________________

天竺が出来たばかりのころ。
横浜一帯を占めるための集会が開かれていた。

元々、少年院で出会っていた幹部たちは兎も角、したっぱたちはお互いの事をよく知らない。

S62世代がなぜこうもみんな揃っているのかと、震え上がっている。そんなS62世代でも敵わないのが総長の黒川イザナ。それはまだ分かる。自分達も経験しているから。

だけど、彼らが何よりも分からないのは副総長の白峰あなたという女のこと。

昼間は普通のOLとして会社に勤め、天竺の集会に顔を出すことも疎ら。

なのに、S62世代が口揃えて「あいつには勝てない」と言うほどには強く、なんなら黒川イザナと互角だとも聞いた。


白峰あなたは基本的に優しい。
したっぱにも気を使える優しさを持っている

なのに、何故か総長にだけは冷たい


黒川イザナと白峰あなたはなぜだか仲が悪い

イザナが8代目黒龍ブラックドラゴンの総長であったときも副総長は白峰あなただったらしい。

あれだけ仲が悪いのに、二人は一緒にいた。

謎だ


二人が喧嘩を始める度に、したっぱたちはヒヤヒヤしている。幹部らは無関心か笑いながら見ているのに彼らはそんな余裕がなかった。



そして、今日、彼らはさらに頭を悩ませることになる

____________________
_____________
_______

仕事終わりにスーツ姿で集会に現れた副総長。

何やら様子がおかしく、顔は真顔でいつもより目付きが悪い。いつも綺麗に整えられている髪もメイクも、雑になっていた。

それはそれは機嫌が悪く、したっぱの挨拶もガン無視で通りすぎていく。


「白峰さん、様子おかしくね?」
「何かキレてる?」
「今日の総長との喧嘩はヤバそうだよな…」



「らんらん…薬……」
「手に入れるのマジでキツかったんだからな?つか、顔色悪すぎ」
「ん゛…ありがと、らんらん」


顔色が悪い

手に入れるのが難しい

薬………


?!!


したっぱの心が一つになった瞬間だった。

薬をやってる奴はチームに何人もいるけれど、白峰あなたがやってると言うのを聞いたことがなかった。


「あ゛ー…しんど……」


したっぱたちの大混乱を他所に、集会は始まった。

いつも通り、あなたはイザナの隣にいる。

ただ一つ違うとすればイザナが座っているということ。


そして、ついに訪れた地獄の時間



白峰あなたがこっくりこっくりと船をこぎ始めた。

正面にいる彼らはそれに気づいた瞬間、顔を青くさせ、そちらにしか目がいかない。

ポスリと黒川イザナの肩に頭をのせて完全に寝たときには、悲鳴をあげたいくらいの衝撃を受けた。


「………?」



だが、いくら待っても黒川イザナが怒鳴ることはなくそのままの状態でたんたんと話し続けている。


いや、集中できないのだが…


これまた心が一つになった


「スー…スー…」


普通に寝息まで聞こえている。

いつもならあなたが少し居眠りを始めれば、喧嘩が始まっているのに。


「……おい、聞いてんのか」


あまりにも心ここにあらずな彼らに、とうとうイザナが不機嫌そうに顔をしかめる。

そんな彼の後ろで灰谷蘭がくつくつ笑っており、そんな彼を見て灰谷竜胆が呆れた表情を見せている。


「チッ…」


不幸中の幸いか、あなたが完全に眠ってしまっているためイザナは動くことが出来ない。


「鶴蝶」


不機嫌そうな顔のまま鶴蝶の名を呼び、顎であなたを指す。

しばらくして、あなた専用タオルケットを持って現れた鶴蝶。それを眠っているあなたにかけて、その場を離れた。


いやいや…どういうこと?!

俺らが今まで見ていた総長と別人か?!

いや、それはない

あの冷たい目は総長そのものだ



____________________
_____________
_______

「うぁー…!体が楽だわ…!」

昨日の集会でしたっぱたちに大混乱を起こさせた張本人は、二日後、あの日の様子は何処へやらすっきりした顔で現れた。

髪はきちんと整えられ、メイクも丁度よく。こっちの挨拶にも笑顔で返してくれた。




「あなたー、終わったんだ?」

「ん…!バッチリ!迷惑かけたねー」


灰谷蘭との会話を聞いてもいまいち理解ができていない。


「てか、大将の肩に寄りかかって寝てたの覚えてんの?」

「ん?覚えてますよー」

「大将、あの時だけ優しいのなんなの?」

「知らなーい。結構しんどいって理解してくれてるからじゃない?わりと付き合い長いし」

「ふーん…まぁ、こっちは他の奴等の反応見てて面白かったからいいけど」


こちらを見て不適に笑った灰谷蘭。

今回のことをきっかけに

天竺の総長と副総長の関係性について

さらに頭を悩ませることになったしたっぱたちでした


--------------------------------------------------------------------

白峰あなた

・生理がマジで重い人
・会社とか休みたいくらいには体がダルいし、メンタル弱くなる
・生理痛はそんなに酷くはない、ただ体が重い
・動きたくないくせに一人でいるのは嫌なので基本イザナの側に行く
・ずっとくっついてる


黒川イザナ

・あなたとの付き合いが長いためその時期は察する
・酷いことは分かってるから基本受け入れる
・結構甲斐甲斐しく世話してくれます(鶴蝶を通じて)
・ただし、生理が終わった瞬間から喧嘩勃発


鶴蝶
・たぶんあなたの生理中、一番大変な人
・イザナにあれ買ってこいやら、これ渡してこいって命令される
・生理中のあなたは本当に酷いからかなり心配してる


灰谷兄弟

・こっちはあなたの方からあれ買ってこいって命令される人たち
・本編でも蘭ちゃんが生理用の薬を買いに行かされました


したっぱちゃんたち

・本物の馬鹿だからしばらくマジであなたがヤバイ方の薬をやってると勘違いしてた








読み返したけど…これイチャイチャしてんのか…?

プリ小説オーディオドラマ