すぎたことを後悔したってしょうがない。
私はあの選択を後悔はしているけど、間違っていたとは思わない。
昼間にイザナが東京に向かった。
らんらんと獅音ちゃんが東卍に奇襲をしに行った。
私は……仕事なんですよ!!!
この日は絶対無理だって言ったのに…!!!
しかも頼まれたのが夕方!!?
馬鹿じゃないの!
10時からなんだって!!
カタカタカタ
キーボードを叩く音がだんだん大きくなる。不機嫌さが出ているのか、同僚は誰も話しかけてこない。
いや、私がんばってるんで
ほんと、時間までに終わらせなきゃなんないの!!
頭、バカみたいに回転してる
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超絶完璧に終わらせた資料をにこにこの笑顔で課長に渡して、るんるんとスキップをしながら会社を跡にした。
停めてある車に乗り込み、エンジンをかける。
私、殺しばっかやってるから金大量なんですよね。そりゃもう一生食っていけるくらい。
なんで、車買いました
バイクより車の方が快適じゃない?
クーラーあるし
あと、生身に衝撃くるのは怖いし
「あ、りんりん?あのさ、もう東卍来た?」
『まだ来てねぇ。てか、あなたが俺に電話するの珍しいな』
「あー、いつもらんらんだもんね。いや~、今日はりんりんの気分だったのかも?」
『意味わかんね…。仕事終わったのかよ』
「今、終わった。そっち行くからってイザナに伝えといて」
『了解』
スマホの画面をタップし、通話を切る。
今日が運命の別れ道だと
この時の私は考えてもいなかった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!