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2021/10/03

第13話

エマ様の好きな人
エマ
エマ
ソフィア!
ソフィア
ソフィア
わ、エマ様⋯⋯!?
エマ
エマ
ごめん、ビックリした?
ソフィアが歩いて行くのが見えて
追いかけてきちゃった!
ふわりと微笑んだエマ様は、今日も相変わらずの可愛さだ。

例えるなら、エマ様が歩いた道の上に色とりどりのお花が咲いちゃうような、そんな可憐な愛らしさを放っている。
ソフィア
ソフィア
追いかけて下さったなんて嬉しいです!
アラン様なら今日は夕方までお仕事で
エマ
エマ
アランのことなんてど〜でもいいの!
それより、ソフィア!
これから少し付き合ってくれない?
ソフィア
ソフィア
……?私でよければ、
夕飯の準備までなら時間があるので
エマ
エマ
やった!
じゃ、手が空いたら私の部屋に来て
嬉しそうにそれだけ告げて、一足先に部屋に向かってしまったエマ様を見ながら、小さく笑みがこぼれる。

エマ様は、女の私から見ても飾らない愛らしさのある人だ。


***
ソフィア
ソフィア
ん、美味しい……!
エマ
エマ
でしょ〜!
最近できたケーキ屋さんの
クッキーなんだけど、
人気過ぎて買えないことも多いみたい
"買えてよかった〜”とクッキーを頬張るエマ様。

わざわざ私とお茶するために買ってきてくれたんたと思ったら、エマ様の気持ちが嬉しくて、クッキーの美味しさも増したような気がした。
エマ
エマ
それで、
アランに気持ち伝える決心はついた?
ソフィア
ソフィア
っ!き、機会があれば、
アラン様のお誕生日に……
エマ
エマ
ほんと!?
うわ、なんか私まで緊張する
ソフィア
ソフィア
でも、本当に良いんでしょうか。
私なんかに想われているなんて、
アラン様には負担じゃ
伝えたい気持ちと、隠したい気持ちが交差する。
もし伝えて、専属世話役として傍にいることができなくなったら……そう思うと怖い。

だけど、自分の気持ちに正直でいたい。
そんな思いも確かにあって。
エマ
エマ
なーに言ってるの!
アランのことなんてこの際、
考えなくていいの!
エマ
エマ
それに、好きな人に好きって
伝えられる距離にいるなんて、
私には羨ましいよ
エマ
エマ
好きって言われたら
アランだって悪い気はしないと思う
ソフィア
ソフィア
もしかして、
エマ様も好きな人が……?
エマ
エマ
誰にも言ったことないんだけど、
ソフィアならいいかな!
エマ
エマ
私ね、前に一度、危ないところを
助けてもらったことがあるの。
その時、助けてくれた騎士様に
ずーっと密かに片思いしてて……
ソフィア
ソフィア
騎士様……
エマ
エマ
名前も分からないし、
もう一度会える保証もない。
……報われない恋だけどね
ソフィア
ソフィア
……エマ様
切なげに揺れる瞳。

"好きな人に好きって伝えられる距離にいるなんて、私は羨ましいよ"

そんなエマ様の言葉を思い出して、胸が切なく軋む。
エマ
エマ
だ〜か〜ら!
ソフィアは私の分も、恋に生きて!
"専属世話役"から"婚約者"になるの!
ソフィア
ソフィア
こ、婚約者なんて……!
エマ
エマ
私はあの騎士様が好きなの。
あんな俺様のアランなんかと結婚したら、
毎日地獄!
……だから、頑張れソフィア!
私の未来も全部ソフィアに預ける!
ソフィア
ソフィア
……エマ様。
私、頑張ってアラン様に気持ち伝えます!
エマ様なりに精一杯私の背中を押してくれているんだろうと思うと、なんだか元気が出て、こうしてお茶する前より前向きな自分と出会えたような気がした。


***

エマ様を見送って、夕飯作りのため厨房へと向かう途中。

いつもなら閉まっているオリバーさんの部屋のドアが、全開になっているのが目に留まった。

部屋に入るときも出るときも、必ずしっかりドアを閉める几帳面なオリバーさんなのに。
不思議に思いつつ数歩近づいたとき、中から声が聞こえて、咄嗟にドアの陰に隠れてしまった。
オリバー
オリバー
ですが、陛下はまだお若いですし
側近たち
国王に若いも若くないも関係ないさ
オリバー
オリバー
……しかし、
陛下ご自身のお考えもありますので
側近たち
国王たるもの、
国民を安心させるためにも、
早く妻を娶って跡取りを作るのも、
また一つの役目ではないか
側近たち
それに最近、
エマ様も頻繁に城を出入りしていると聞いた
側近たち
あと数日で20歳をお迎えになることだし、
結婚の日取りも決めてしまうのはどうだ?
オリバー
オリバー
……陛下には私から話してみます
アラン様の⋯結婚……。

オリバーさんと、アラン様の側近の方たち数名の会話は、私の心に大きな雨雲を連れてきた。

やっぱり、どんなに足掻いても、私とアラン様じゃ住む世界が違いすぎるんだ。