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2021/08/22

第7話

安心できる場所
───ドキドキと壊れそうなくらいうるさい胸を抱えて、自室のドアにもたれかかる。
ソフィア
ソフィア
な、なに……さっきの
アラン様にさしあげようと残しておいたフルーツタルトを手に、お部屋を訪ねたところまでは良かった。

フルーツタルトを差し出した私に、珍しくアラン様は少し驚いたような、困ったような顔をして……。

それから───。

『どうやら俺は、ソフィアを独り占めしたいらしい』
ソフィア
ソフィア
ひ、独り占め……って
どういう意味だろう?
私の髪に触れながら、サラリと呟いたアランさんの言葉が頭の中をず一っとぐるぐる回っている。

だけど、ドキッとしてしまった私とは違って、アラン様はあの発言の後、いつも通り涼しい顔をしていたし、すぐに仕事に戻ってしまった。
***

数日後───。

大好きな北部へ帰る日。

毎週帰っているのに、楽しみすぎてワクワクが止まらないんだから困ってしまう。
アラン
アラン
ソフィア!
いつも通り、送迎役のオリバーさんが待っているはずの裏門へとやって来た私は、私の名前を呼ぶアラン様の声に弾かれるようにして顔をあげた。
ソフィア
ソフィア
───アラン様!
今日は隣国でお仕事があるんじゃ
アラン
アラン
あぁ、その予定だったが、
先方の都合が悪くなって急遽なしになった
ソフィア
ソフィア
そうなんですか!
じゃあ、……みなさんお揃いでどちらに?
アラン様の後ろには十教人の騎士たちが、馬に乗って控えていた。

その中には、"よっ”と軽く手を挙げて私に微笑むルイの姿もあって、「ルイまで……?」と小く独り言がこぼれる。

隣国行きがなくなったから、みんなで乗馬の練習……とか?
アラン
アラン
今日はソフィアが北部へ行く日だと
前もってオリバーから聞いていたんだ。
いい機会だから騎士たちも
北部へ一緒に連れて行こうと思う
ソフィア
ソフィア
え?⋯⋯騎士の皆さんも一緒にですか?
私の質問に、アラン様は口角をあげる。
アラン
アラン
あぁ、百聞は一見にしかず
って言うだろ?
***

……本当に来てしまった。
今回一緒に行く騎士の中に、北部出身者はルイだけ。

お城を出発する前、南部出身の騎士たちは北部へ行くことに少なからず戸惑いを隠せない様子だった。

中には「なんで俺たちが」とこぼす騎士もいたり。

だけど───。
騎士たち
うっわ、高ぇ〜!
北部の人々
まさか、これくらいで
ビビってんのか?
騎士たち
お、おい!揺らすな……っ
北部のみんなと木登りを楽しむ騎士。
北部の人々
へぇ、手際いいじゃん
騎士たち
釣りはよくするからな
……って、お!強い引きだ!
北部の人々
よし、ゆっくり慎重に巻け
北部のみんなと釣りを楽しんだり。
……思ってた以上にみんな、楽しそう。

そっか、アラン様の狙いは最初から南北の交流だったんだ。
***

数時間後。

騎士のみんなのおかけで、魚や果物がたくさん採れ、アラン様の提案で、いつも私がしているように、北部のお年寄りの家に配って回ることになった。

自然とふれあい、南北間の交流を経て手に入れたソレを見る騎士たちの顔には喜びが滲んでいて、

見ているこっちまでホッコリしてしまった。
ルイ
ルイ
ソフィア!
来てみろよ、懐かしいのがあったぜ
ソフィア
ソフィア
懐かしいもの?
ルイ
ルイ
ほら!俺とソフィアの成長のアカシ
ルイが指さしたのは、昔よく遊んだ広場の大きな木。私とルイの身長が刻まれている。

最後に刻んだのは、ルイが騎士としてお城へ行くことが決まった日の朝。
ソフィア
ソフィア
改めて見ると、ルイと私って
ずーっと一緒にいたよね
ルイ
ルイ
そうだなぁ。
それに、これからもずっと……
アラン
アラン
へぇ、身長木か
突然現れて、ルイの言葉を遮りながら木の前にしゃがみ込んだのはアラン様だった。
アラン
アラン
6歳のソフィアこんなに小さかったのか。
……ちょっと想像できないな
ソフィア
ソフィア
多分、平均的な大きさでした!
ルイは私より4つも歳上なのに
私とほとんど同じ大きさで
ルイ
ルイ
あ、こら!
それは言わない約束だろ?
慌てるルイがおかしくてクスリと笑えば、アラン様はふわり、私を引き寄せた。
ルイ
ルイ
……っ
ソフィア
ソフィア
……ァ、アラン様?
アラン
アラン
俺よりソフィアを
よく知ってるんだと思うと妬けるな