どんな返事か来るかなんて知らなかったが、炭治郎の話を遮って左近次はこう言った
それは炭治郎にとって答えにくい内容だった
この質問にはどうしても答えられない…
いや、どこかで気付いているんだ、どうしなきゃいけないとか
それを俺自身が言えないのだ 何かの呪いの様に
パチン
頬にジリジリと痛みが走り出した
その痛さに思わず手で押さえてしまった
わかっているのに絶望しか無かった…
俺はずっと喰わないという妄想をしていたからだ
ずっと喰わないわけではない、どこかで区切りが来るかもしれない
そう思うとやっと理解できた
優しい人でもあるけど少し厳しい人なんだろう、いや、まあ鬼倒すんだから甘くは居られないだろう、阿保だろうか?なんて思っていると左近次が喋り出した
タッタッタッタ
速い…速すぎる…何歳なんだこの人は!追いつけないぞ!というか霊夢の方が速い!!
いやでも見た感じ70歳とか…?
息ももう持たなくなっていた、息切れが酷く、冬であるから肺が凍りそうだった
そんな他愛もない会話を繰り広げていると突然鱗滝さんは止まり喋り出した
どういうことだと思った
道なき道を少し走り麓からもだいぶ離れたところだった
山下り…でもここは麓じゃないのだ
今は午後10時を回る少し手前かもう過ぎているか…
この山であれば今の速さでは3時間もあれば着くだろう
簡単だと余裕を語っていたが次の霊夢の一言で変わってしまう
霊夢が真顔で言ってきた、正直そこまで言われると本当なのかと疑問に思ってしまうレベルだった
少し心配そうに眉尻を八の字にしながら言った、というかさっきの一言を言って入ろうだなんて…どれだけ勇気があるんだろうか
タッタッタッタ
最初は小走りに走っていった、ただ罠と言っても穴ぐらいだろう、特に危険はない…と思った瞬間
グシャッ
正直、下に針の様に尖った鉄のものがあり、刺さったら即死だと思う
死を覚悟したその時
ギュ
手を握られた感覚があった
どうやら霊夢が助けてくれた様だ
ただ少し恥ずかしかったのもあったが…
取り敢えずそう思いながら穴から脱出するのを試みたが、脱出するのに結構な時間が掛かった
ただ少しだけわかったこと…それは人工的に作られた罠は匂いが僅かに違うということ
それが分かると格段に違う、凄く避けられるのだ
ただ、だからといって極端に身体能力が上がるわけではない
少しは罠にハマるものだ
そうしているとやっぱりさっきの落とし穴が響いて夜明けがあと5分という凄くギリギリで終わったのだった
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縄に足を引っ掛けただけで短刀が一気に5本ぐらい飛んできて避けるのは簡単だが正直恐ろしかった
そして丸太も飛んできた
振りが大きいのでドンと強い衝撃がやってくるのだ
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ちなみに 霊夢と炭治郎で壁ドン…とかそんなんでいいです!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。