第14話

玖 獪岳
724
2020/12/01 12:10
魔理沙
魔理沙
なあ…あいつ帰って来てないぞ?
善逸
善逸
獪岳…まさかやられたか…?いやでもそしたら郵便か何か来るよな…
大正元年 6月
去年の明治四十五年の9月の最終選別からはもうとっくに半年は経っていたのだ

死んだら郵便と、少しのお金と遺体が来るか来ないからしいんだけどそれすら来ないって事は何処かにいるんだろうけど探す気はとっくに失せてるし、そもそも嫌いな奴だ、誰が助けるものか…っていうのはちょっと酷いけどネ
魔理沙
魔理沙
うーん…まさか鬼になったりしてないよな?
善逸
善逸
わっかんないよぉあいつは…強くなるためには手段も選ばない奴だろ?
善逸
善逸
それに探すなんてさ…日本って広いんだぞ…ほら、伊能忠敬が何十年もかけて地図完成させたみたいに…あんな感じで旅すんだぜ?不老長寿とか不老不死にならなきゃ無理だよ…
魔理沙
魔理沙
鬼殺隊入るとだいぶ違うみたいだが
魔理沙
魔理沙
ただなぁ…他の弟子ならまだしもあいつだけは乗り気にゃならねぇ
善逸
善逸
あーもう!姉貴が鬼になったとかっていうから、本当にそうなってんじゃっていうのが頭によぎっちまうじゃんか!
善逸
善逸
獪岳!あいつだけは一生恨んでやる!!
魔理沙
魔理沙
だからまだわかんねぇって言ってんだろーが!
善逸
善逸
どうしてそんな冷静なんだ!!!!
桑島慈吾朗
静かにせんか!!!!
そう言って現れたのは元鳴柱の桑島慈吾朗である
ずっと魔理沙と善逸が騒ぐもんだから様子を見に来たらしいが、最初の第一声が怒声だなんて誰も予想しちゃいないだろうが…
桑島慈吾朗
そんなことする暇があるのなら鍛錬しろ!!
善逸
善逸
でも…!!!!
善逸が眉を八の字にしながら何度も訴えた、だが慈吾朗はただ
桑島慈吾朗
獪岳は戻ってくる!!!!
桑島慈吾朗
あいつは俺の弟子だ!俺の技を伝承する者だ!!
そう言ってその話を逸らそうとするが諦めることが不可能だった
いや、“一番嫌な相手”だからこそ裏で何をしているのか、真実を知りたかっただけかもしれない
子供の幼稚な力で戦いたい、そんな意地で獪岳を探したかったかもしれない
ただ自分に自信すらない善逸が、自分自身の心の奥深くに刻まれた気持ちを知ろうだなんて思わないしそこまで辿り着けないだろう
善逸
善逸
ああ…わかったよ!!
そうぶっきらぼうに返事をして今までの事を思い出そうとした
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー回想
獪岳は自分が一番強いと豪語していた
でも“姉貴”にだけは負けていた
なのに強い?ふざけんなよ
たった1人勝ててない奴がいるのに強い?そんなのは弱いに過ぎない
馬鹿みたいに桃ばっか食いやがって
何かとあれば俺に文句?
桃投げて…馬鹿なの?
姉貴にも同じようにしてみろよ!俺だけじゃなく
“鬼に喰われてでも死ねよ!!!!”



そう思ったのは俺だけかもだが…
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善逸
善逸
(爺ちゃんは信じてくれねぇ、結局姉貴だけなのか?そこんとこは微妙だが)
魔理沙
魔理沙
結局獪岳はどうなったかしらねぇが…私らが行く時の最終選別の時にはひょっこり顔を出すんじゃねぇか?あっははははは…
善逸
善逸
どっちなんだよそれ…鬼なのか生きてんのかはっきりさせてくれよ…
魔理沙
魔理沙
まぁさ…どうでも良いじゃん、鬼になったらなったでこっちで対処しようぜ!白黒つけてやろーぜ!
善逸
善逸
気楽だないつまでも
獪岳の話題はそれからピッタリと出なくなっていた
もう夜11時と32分になろうかという頃だ
獪岳はふらふらと帰ってくるのでは?
そうやって自分に言い聞かせて取り敢えずもう考えない様にした
善逸
善逸
帰ってきても来なくても俺はお前を許さない、絶対に…!!

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