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第3話

3.神様を訪ねていざオンボロ神社へ
私と鷹見リョウトは会話一つせず目的地の荒れ果てた神社までやってきた。正直、この人と肩を並べて歩くだけで息が詰まりそうだ。はっきり言って相性が最悪だと思う。

鷹見リョウトはとにかくモテる。
だけど私にはなぜこの男がモテるのか理解不能。外見も中身も満点という噂が独り歩きしていただけなのではないだろうか。


鷹見リョウト
鷹見リョウト
俺と一緒にいてそんな暗い顔してる子は初めてだよ
いきなり話しかけられて心臓が止まるかと思った。予告なく話しかけるのはやめてほしい。しかも結構ひどいことを言われている。
倉敷アヤカ
倉敷アヤカ
心臓に悪いので必要最低限の会話だけでお願いします
無愛想に返すと彼はあからさまに顔をしかめてため息をつく。
根本的に性格が合わないため一緒にいるだけで疲れてしまうのはお互い様らしい。
さてどうしたものか。私たちがここへやってきた理由は説明するまでもなく、呪いについて調べるためだ。
現在わかっていることは縁結びの神様から呪われており、呪われた原因は神様の尊厳を傷つけたからということだけ。

黒い糸が見えているため呪われていることは確かなのだと思う。しかしその効力がよくわからない。
倉敷アヤカ
倉敷アヤカ
(黒い糸が見えるだけで特に変わったこともないんだよね……気に食わない男の小指と結ばれているのは最悪……)
鷹見リョウト
鷹見リョウト
ところで神様ってどうやったら出てくるの? そもそもホントに存在してる?
倉敷アヤカ
倉敷アヤカ
言いたいことはわかります。でも小指の黒い糸が私たち2人の間に結ばれているので信じるしかないかと。
神様なんて役立たずですよ。嫌がらせに関しては得意だったみたいですけど
鷹見リョウト
鷹見リョウト
倉敷さんは現実的な考え方をするね。そういうの好きだよ。自分のことは自分でするしかないし祈ったところで何も変わらないからね
何かを願っても救いの手を差し伸べてくれないのが神様というものだ。
倉敷アヤカ
倉敷アヤカ
何もしないのに人から神様として崇められているなんてずるい存在だと思います
鷹見リョウト
鷹見リョウト
そっか。でどうする?
神様、出てきそうにないね
倉敷アヤカ
倉敷アヤカ
形だけでもお参りしてみます
私は手と口をすすぎ、拝殿まで進んで賽銭箱に5円玉を放り込んだ。
一礼してから力いっぱい鈴を鳴らし、二礼二拍手をしてお参りする。心の中では「さっさと出てこい」と念じた。
手順を守って参拝した後、賽銭箱の奥にある本殿から小さな物音が聞こえてきた。
私は少し躊躇したものの、音の正体が気になり思い切って本殿の中を覗き込んだ。
中は薄暗くてよく見えないが、目を凝らしてみると何かがパタパタと走り回っている。
倉敷アヤカ
倉敷アヤカ
な、なななにかいるっ!
 私が驚いて声をあげると、私の顔面に向かって中からモフモフの毛皮が飛びだしてきた。
倉敷アヤカ
倉敷アヤカ
え、ちょっとまっ……
勢いよく毛皮にどつかれたせいで私はバランスを崩してよろめいた。あ、後ろに倒れる。
倉敷アヤカ
倉敷アヤカ
(…………?)
 後ろに倒れて頭をぶつけると思った。しかし後頭部に衝撃はなく、身体が傾いている状態で止まっていた。
鷹見リョウト
鷹見リョウト
セーフっ……
後ろから鷹見リョウトの声。彼は私の背中を両手でしっかりと支えて安堵の息をついていた。
鷹見リョウト
鷹見リョウト
気をつけないと。女の子が怪我なんてしたら大変だよ
倉敷アヤカ
倉敷アヤカ
あ、りがとう
地味で根暗な私のことを助けてくれる人は珍しいし、女の子扱いされたことにも動揺したが、私は背中越しに伝わってくる彼の手の大きさとぬくもりを感じていまだかつてないほど心臓が高鳴っていた。

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下月いつる
下月いつる
マイペースに頭の中で空想を楽しみながら活動しております。 男前ヒロインやクセのあるキャラが大好物で個性強すぎアク強すぎな子たちが出てくるお話を探し求めて日々さすらっています。 ファンタジー色やシリアス色の強いジャンルが好き。 読書や文字書き作業中のお供はクッキーとラジオ、紅茶とコーヒー(ただしカフェインレスに限る)です。
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