食事に誘ったら
あなたは快く返信をしてくれて
とても嬉しかった
個室で待っていると
ノック音が聞こえた
あの電話のあと
俺はすぐにマネージャーに連絡して
好きな人ができたから紹介したくて
打ち合わせっていう口裏あわせで
ちょっとだけマネージャーにも
あなたと会わせたんだ
俺の他に知らない男性がいたから
部屋に入って来たあなたは
少し怯えているようにもみえた
あなたはサイン会とは違う服装で
すごく綺麗だった
でもジロジロとみたら失礼かと思って
何も言わずメニューを見ていたけど
本当は嬉しくて口元が緩くなるのを我慢した
あなたは気付いていたかはわからない
興味本位で聞いてみた
俺は本気で彼に嫉妬した
そう思ったら機嫌が悪くなって
つい斜下に顔を向けて態度が顔に出てしまった
いつも機嫌が悪くなると
この癖が出るから治したい
だけど無理だった
そのあとあなたは困った顔してて
それがなんだか可愛くて
意地悪したくなった
なんて言ったら
あなたは本気で謝るから
って言って
不機嫌だった俺を誤魔化した
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。