あと20分で出発
その時だった。
みんなの声がホームに響いた。
こんなに広いホームで
わざわざ私なんかを
見つけてくれたの?
大好きな君へ
振り返った時
目の前が真っ暗になった。
気がつけば君の胸の中。
そして
我先にと
駆けつけて
抱きついてくる成人男性。
どういう状況なんだか…
会いたかったみんなに
泣きそうになる。
それと同時に
「こうしていてはいけない。」
と、ツライ考えが出てくる。
気付けば伸びていた腕と
尻もちをついて
驚いているみんな。
無意識のうちにこぼれ落ちていた涙。
静に涙を流す私を
みんなは暖かく
悲しみに溢れた目で
見つめていた。
ねくすと。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。