第28話

Princess 28%
3,711
2020/12/29 08:52
重岡side
酷く底から痛い頭痛と気持ち悪さで目が覚めた。
重岡大毅
重岡大毅
…どこやねん、ここ。
知らない天井に見慣れない周り。
それに昨日着た服とは違う服。
重岡大毅
重岡大毅
……っあなた!
勢いよく飛び起きて寝室と思われる扉を開けると
そこには…
中間淳太
中間淳太
うぉっ!!
吃驚した!!
重岡大毅
重岡大毅
なんで淳太が居んねん。
中間淳太
中間淳太
ここ俺ん家。
気持ちよさそうに店で酔ってた
しげを拾って家に運んだって訳。
重岡大毅
重岡大毅
……うわ、悪ぃ、それは。
中間淳太
中間淳太
かまへんけどさ。
…何かあったん?
忘年会には来ないのは当たり前やけどさ
あんなに酔うなんて無いやん。
しげなんて弱いんやしさ。
重岡大毅
重岡大毅
……ごめん、ホンマに。
中間淳太
中間淳太
……はぁ。
とりあえず飯出来とるから食え。
どうせその顔色やったら
二日酔いやろ?
味噌汁出来てるから温まり?
重岡大毅
重岡大毅
ありがとう、助かる。
淳太の後を追ってリビングに行けば
美味しそうな匂いが漂っていた。
重岡大毅
重岡大毅
…淳太ってさ
中間淳太
中間淳太
ん?なんや。
重岡大毅
重岡大毅
料理できひんよな?
中間淳太
中間淳太
あぁ〜。
朝照史に聞いた。
重岡大毅
重岡大毅
……自分で作れや。
中間淳太
中間淳太
なんでやねん笑笑
しげやって作れへんやろ笑
重岡大毅
重岡大毅
…ニラのスープなら作れんで!
中間淳太
中間淳太
はいはいはい。
もうええから食え。
重岡大毅
重岡大毅
いただきます〜!
箸を持って味噌汁を飲めばその味噌汁は
とても美味かった。
重岡大毅
重岡大毅
…美味っ。
中間淳太
中間淳太
良かった〜。
重岡大毅
重岡大毅
照史すげぇな。
中間淳太
中間淳太
おい!笑
味噌汁以外にも体に優しいご飯も沢山あって
どれも美味しくて箸が止まらなかった。
中間淳太
中間淳太
…なぁしげ。
重岡大毅
重岡大毅
ん〜何?
中間淳太
中間淳太
広げすぎた傷口隠しても
痛みなど消えやしないで。
重岡大毅
重岡大毅
…いきなりなんやねん。
中間淳太
中間淳太
ただ泣くのを我慢してばかりじゃ
涙枯れるで。
重岡大毅
重岡大毅
だからそれがどないしたん笑笑
中間淳太
中間淳太
今のしげそのまんまってことや。
重岡大毅
重岡大毅
…は?
中間淳太
中間淳太
今俺の目の前にいるしげは
俺の知ってるしげやない。
…カメレオンや。
重岡大毅
重岡大毅
カメレオン?
急に何を言い出すんやって思った。
食べてる時に急に前に撮った歌の歌詞言い出すから。
俺は何も思わず箸を進めてた時急にまた
真剣なこと言い出すから思わず箸を止めてしまった。
中間淳太
中間淳太
…酔っ払った時のしげが
ホンマのしげやった。
俺の知らないしげが居た。
重岡大毅
重岡大毅
俺どんな感じやった?
中間淳太
中間淳太
…あなたって、呼んでた。
重岡大毅
重岡大毅
……えっ。
「やばっ」って思った。
小瀧と神ちゃんだけでええやって。
知っとるの。

驚いたやろうな。
メンバーの前で女の子の名前とか言わんし
彼女いるなんて言ってないから。
重岡大毅
重岡大毅
…驚いたやろ。
急に俺の口から女の名前出すなんて。
中間淳太
中間淳太
おん。笑笑
最初はな。
でも昨日しげの服洗う時分かったんよ。
「ちょっと待ってて」
それだけ言って淳太はバタバタとリビングから出て
外に出た。

何してんねんなんて軽々思ってると
淳太は片手をポケットに突っ込んだまま
俺の前に来た。
中間淳太
中間淳太
別に怒ってへんよ。
彼女いた事を黙ってたことなんて。
でも…コレ見つけた瞬間
悩み事が増えた。
淳太はポケットから何かを取り出して
それを俺の目の前に置いた。
それを見た瞬間俺は更に驚いた。
……いや、なんて言うか安心した。
重岡大毅
重岡大毅
…どこにあった。これ。
中間淳太
中間淳太
ズボンのポケットに入っとったで。
重岡大毅
重岡大毅
……そか。
淳太が探して見つけてくれた宝物を
俺は手に取ってマジマジと見ていた。

俺の宝物のと言うのは
中学の卒業式を終えた後に制服を着たまま
ゲーセンに行ってそのままプリント写真機で
2人で撮った写真。
どんな流れで行ったかなんてもう覚えてないけど
でもこれだけは覚えとる。
俺がめっちゃ反対しとったの。

でも今となってはめっちゃ宝物。
それをずっと探してたけど
なんやこんな所にあったんやな…。
重岡大毅
重岡大毅
あ、…。
中間淳太
中間淳太
ん?
重岡大毅
重岡大毅
…その悩みって?
中間淳太
中間淳太
…あぁ〜。
言っても平気か。
重岡大毅
重岡大毅
おん。かまへんよ。
中間淳太
中間淳太
…なんで今のやないんかなって。
重岡大毅
重岡大毅
今?
中間淳太
中間淳太
なんで制服着てんねん。
重岡大毅
重岡大毅
……っ、それは。
中間淳太
中間淳太
しげの性格上コスプレとか絶対ない。
まぁ彼女の願いなら
聞くかも知らんけど。
俺の知ってるしげはそんなんしないし。
それで昨日の夜気づいたんや。
これはかなり前に撮ったもんやなって。
重岡大毅
重岡大毅
……おん。せやな。
かなり前に撮った写真やで。
中間淳太
中間淳太
…やな。
でもさまだモヤモヤしてんねん。
重岡大毅
重岡大毅
もうええやろ?笑笑
中間淳太
中間淳太
じゃあなんで持ってんねん。
お前断捨離上手い方やん。
昔の彼女との思い出とかも
結構捨てるとか忘れるほうやろ。
……そこで思ったんよ。
彼女に何かあったんやなって。
今でも思い続けてるけど
言えない何かがあるんやなって。
喧嘩とかそんなんじゃない。
彼女やなって。
重岡大毅
重岡大毅
……ふは。
中間淳太
中間淳太
なんや?
重岡大毅
重岡大毅
……別に。
淳太今日仕事やろ?
俺帰るわ。
飯もありがとう。
ご馳走様でした。
中間淳太
中間淳太
ちょっ、待ってって。
箸を置いて写真も忘れずポケットに入れて
リビングから出ようとした俺の腕を淳太が
引っ張った。
中間淳太
中間淳太
ごめん。
気に触るようなことして。
…でもさ?俺らってメンバーやないん?
頼れって。しげ。
早くあなたの所に行きたい自分と
どこか淳太に寄りかかりたい自分とで揺れていた。
重岡大毅
重岡大毅
……俺もう分からん。
分からんねん……っ!!!
もしかしたらこの先
きっと俺らが予想していないような
辛い現実があるに違いない。
そんな時俺はまたあなたを信じて
歩いて行けることが出来るか分からない。

もしかしたらきっとこんな俺やから
あなたのリハビリとかも足引っ張るかも知らん。
中間淳太
中間淳太
…分からんでええよ。
だって、しげはしげやろ?
……今日はもうゆっくりしていき。
寝てもええから。
仕事は一緒に行こ。
揺る揺るな俺にそっと寄り添ってくれる淳太に
俺はこのまま肩を預けてもいいのだろうか。

俺はもう訳も分からず淳太に引っ張られながら
ソファに座って朝のニュース番組を見た。

朝の星座占い
ちょっと罰が当たったんやろ。
今日は最下位。
ちょっと横目で気にしてる自分がいて
更に訳が分からなくなった。

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