第16話

Princess 16%
4,024
2020/12/15 09:14
神山side

「空元気」ってこういう事なんやなって。
目の前にある大きな背中は
後ろから見た俺はどこか小さく思えた。


プラスずっと頭に何度も繰り返している。
重岡大毅
重岡大毅
……俺がしっかりしなきゃ
俺が倒れらっ。
きっとこの先の言葉は俺だけが分かる。

あなたさんの事やなってすぐに分かった。

きっとこの仕事前までずっと病院に居たんやろ。

あなたさんのことが大好きだし愛してるから
手を握ったり髪を梳かしたりマッサージしたり

出来ればホンマは今もずっとそばにいたいやろな。
濵田崇裕
濵田崇裕
…神ちゃん!
神山智洋
神山智洋
…ん〜?
濵田崇裕
濵田崇裕
次俺らやってさ。
行こ。
神山智洋
神山智洋
あ、おん!
濵ちゃんに呼ばれてしげ達の後に撮影が始まった。



















1冊目の撮影もあっという間に終わって
今は次の撮影準備のため一旦楽屋に戻ってきた。
時間もお昼頃で楽屋の机の上にはお昼の弁当と
お茶が置かれていた。
桐山照史
桐山照史
腹減ったー!食べよ食べよ!!
小瀧望
小瀧望
俺も食べる!!!
濵ちゃん!!!
濵田崇裕
濵田崇裕
はいはいはい。
机の周りに皆椅子を持ってきて
それぞれ同じ弁当を開けて食べ始めた。

俺の隣にしげと淳太が座って
皆が食べ始めた頃に俺も弁当を開けて
箸を持って食べ始めた。

皆が美味い!とか色々言いながら食べてた時
急に隣から涙ぐむ声が聞こえた。
神山智洋
神山智洋
……しげ?
俺がそう言うと周りのメンバーもしげを見て
目を丸めた。


隣にいたしげは
割り箸を持って下を向き涙を流していた。
重岡大毅
重岡大毅
……なっ、んで…。
なんで……。
神山智洋
神山智洋
……しげ。
隣のしげの背中をさすろうと割り箸を置いて
手を伸ばした瞬間
しげは鼻をすすり携帯を持って楽屋を飛び出した。
中間淳太
中間淳太
……しげっ!!!






この弁当の中にももしかしたら懐かしい思い出が
詰まってるのかなって勝手に思ってた。












ごめんな、しげ。
しげが抱えている痛みをはんぶんこ出来なくて…。

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