第46話

Princess 46%
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2021/06/11 11:59
神山side
仕事が終わったのは夕方。
ちょっと涼しくなってるかななんて
呑気に思ってたけど全然暑い。
マネージャーに事情を話せば直ぐに分かってくれて
近くまで送ってくれた。

ジメジメとした厳しい日差しに
ダラダラと流れてくる汗。

曖昧な記憶を頼りにあなたさんの
病室まで向かう。

俺の記憶が正しかったらもうすぐ。
神山智洋
神山智洋
……あ、あった。
あなたさんの名前が書かれている
病室の前に立ってコンコンとドアをノックする。
誰もいない廊下に響く静かなノック音。

そして後から聞こえる……小さな声。
神山智洋
神山智洋
………失礼しまーす!
スライド式の扉を開けば
ベットに座って何かを見ているあなたさん。

あなたさんは誰だと言わんばかりの表情で
俺の事を見てきた。
あなた

…………っと。

神山智洋
神山智洋
…あ、神山智洋です!
しげの…同じメンバーです。
あなた

………しげ。

神山智洋
神山智洋
…重岡大毅。
来てませんか?毎日。
来てはいつも写真撮ってるやつです。笑
あなた

………あぁ〜。笑笑

あなたさんの方に近付いて
ベット横に置いてあった椅子に腰かけて
あなたさんが持っている写真を指させば
そこでやっと理解してくれたあなたさん。

それからずっと写真を見つめているあなたさん。

何をしようか悩んでいた時
ずっとつけっぱなしだったであろうテレビの
音が聞こえてきた。


ーー東京も厳しい暑さとなり半袖の方が
多く見かけられました。

ーーこの厳しい暑さはいつまで続くのでしょうか。

キャスターさんが椅子に座って
ニュース原稿を読む。

何故か分からないけどずっと見ていた時
俺の服をちょんちょんとあなたさんが
引っ張った。
神山智洋
神山智洋
どうかしましたか?
…あ、エアコン温度あげます?
ちょっと寒いですよね。
椅子から立ってちょっとと奥にある
エアコンのスイッチで温度を上げようと
歩こうとした時
あなた

………し、げ、さん。

神山智洋
神山智洋
………え?
俺は振り返ってあなたさんを見れば
あなたさんの視線は明らかに写真に写っている
しげを見つめていてそれから少し首を傾げ
確かめるようにそう言った。

俺は違和感を覚えて慌てて椅子に戻った。
神山智洋
神山智洋
どうかしましたか?あなたさん。
なんでもないというように
あなたさんは首を振る。

何か隠している。


シンメの メンバーの
頼りのない勘がそう告げていた。


………でもそれがなんなのか。

俺はまだよく分かってない。


でもその何かがすぐ分かることに
俺はまだ分からなかった。

辛い思いをしてる人が
こんなにも近くに2人も現れるなんて……。

俺がもっと早く気づいていれば……。































ごめん、しげ。

頼まれたのに……。


俺は任せたらはずなのに
何も力になれなかった。


ごめんな、しげ。

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