第47話

Princess 47%
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2021/08/02 05:44
神山side
あれからしげが本格的にドラマの撮影が始まって
俺もそれに伴って本格的にあなたさんの所に
行く回数が増えたこの頃。

暑くてたまらない今日も勿論
あなたさんがいる病院に行く。

今日はあなたさんに話したいことがあったから
俺は新聞紙をカバンに入れた。
















神山智洋
神山智洋
あなたさん!
あなた

……あ、神山…さん。

あなたさんはテレビを見ていたらしく
俺が来たら直ぐにテレビを消して
笑って中に入れてくれた。
神山智洋
神山智洋
今日も暑いね。
大丈夫?
あなた

…私は、大丈夫です。
あ、冷房の温度下げますか?

神山智洋
神山智洋
おおん。大丈夫。
いつも通り椅子に座って
俺が持ってきたお菓子を広げながら
しばらくお話。

この時間が意外と楽しい。













神山智洋
神山智洋
…あ、そうそう!
見せたかったもんあってん。
あなた

なんですか?

神山智洋
神山智洋
これこれ。
俺が見せたのは持ってきた新聞紙。
見せたかったところを広げて見せる。
神山智洋
神山智洋
この子凄ない?
俺が見せたのは義足の女の子が
走り幅跳びで日本記録を出した。
その女の子が発した言葉がとても心に響いた。
だからあなたさんにも教えたかった。


女の子が発した言葉。

“私は…幸福アスリート。
神様、ありがとう。”
あなた

………幸福アスリート。

神山智洋
神山智洋
……この場でこんなこと言えるって
すごいよな。
あなた

かっこいい。

神山智洋
神山智洋
……な?かっこええよな。
あなたちゃんはしばらくその新聞を眺めていた。

俺は椅子から離れてお茶を入れようとした時
あなた

……神山さん、あのっ。

神山智洋
神山智洋
ん〜?どうしたん?
あなた

……えっと。

神山智洋
神山智洋
……ん?
急にモゾモゾしだしたあなたさん。

かと思ったら急に窓の外を見て
なかった事のようにするあなたさん。
神山智洋
神山智洋
どうかした?
どこか痛い?
俺はお茶を入れるのをやめて
直ぐにあなたさんのそばに駆け寄った。

でも俺の質問には首を振るあなたさん。

……ほんま、どうしたんやろ。


質問が何も浮かばなくて困っていた時。
あなた

……今日は来ますか?

神山智洋
神山智洋
……え?
あなた

……あの人、来ますか?

窓の外を見ながらそう聞くあなたさん。



“あの人”


誰のことだ?
神山智洋
神山智洋
あの人って……?
あなた

……し、げ…さん。

神山智洋
神山智洋
……しげ?
あなた

……はい。
今日は来ますか?

神山智洋
神山智洋
……いや、多分来ないと思う。
最近仕事忙しそうやから……。
あなた

………そうなんですか。





何かがおかしい……。

なんだ、この胸騒ぎは。
神山智洋
神山智洋
……何かあった?
伝えたいことあるんやったら
俺伝えとくで?
あなた

……あ、いや。
……大丈夫です。


















それからはお互い無言が続いた。
俺は急に仕事が入ったから帰ることに。


車に乗っても未だに残ってるこのモヤモヤ。


胸騒ぎ。


……もしかしたらと嫌な考えをしてしまう。


でもあの感じだときっと………。
神山智洋
神山智洋
………やめよう。
これ以上考えたらダメだ。



とりあえず俺は仕事場に向かうことに。


どうか……

どうか……

思い過ごしであってほしい。




































15世紀〜16世紀にあった「本当の話」




『スメラルドの伝説』main 重岡大毅


coming soon………

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