神山side
楽屋で待機中そわそわしている奴が約1名。
重岡大毅。
さっきから携帯ばっか見てはため息ついての繰り返し
をしており椅子を座ったり立ったりしている。
そろそろ淳太が怒りそうな予感。
ほら、言った通り。
しげは淳太に怒られた後俺の隣に腰を下ろして
また携帯とにらめっこしていた。
小声であなたさんの名前を出した途端
また変な声を出しながら立ち上がったから…
淳太が怒鳴った。
何してんねん、ホンマに。
座ってた椅子から立ち上がって淳太に指さして
かと思ったらまた静かに座って携帯を見ているしげ。
しげから聞けば
今日から本格的なリハビリが始まるらしい。
10年近く眠っていたからあらゆる筋肉が硬直
しておりすぐに動かすには難しく
今日から2週間ほどは厳しいらしい。
そして初日の今日はしげがお仕事やから
サポートもできないから色々と心配らしい。
しげはセット前のふわふわな髪の毛をぐしゃぐしゃと
手で乱暴にかき乱せた後に両手で顔を包んだ。
ありがたいことに俺らは沢山仕事が増えてきて
しげ自身もドラマの作品のオファーが沢山。
台本も覚え中あかんし撮影が始まれば
それなりに眠れないから早めに寝たりも
しなきゃあかんから時間もキツキツらしい。
俺の背中にぐでーんと凭れてきたのんちゃんが
俺としげの顔を交代交代見て聞いてきた。
ギュッと抱きついてきたのんちゃんは
俺から離れずに仕舞いにはバックハグ状態になった。
かと思ったら俺の真後ろで大きな声を出したから
俺もしげもちょっと遠くにいる濵ちゃんや淳太も
肩をビクリと上げていた。
少ししげが呆れているから
もしかしたらしつこくのんちゃんが言ったのかな
ってすぐに理解が出来た。
俺はもうしげの言葉に何も言えずそのまま
受け止めてしまった。
その後の仕事も順調に進み
今日の仕事は終えた。
しげは颯爽と帰ってあなたさんが居る
病院に向かってった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。