第33話

Princess 33%
3,298
2021/01/29 13:21
重岡side
恥ずかしいところを神ちゃんに見せてしまった
あの日から数日経った今日。

実はあの役は小瀧に回した。
今はもうあなたで頭いっぱいやから。
重岡大毅
重岡大毅
あなた〜!行くで!
……はいっ!
今日は室内でのリハビリ。
室内だからちょっと限られるけれど
それでも楽しめるリハビリを先生が組んでくれた。

今は腕を高く上げたり腕の筋肉を柔らかくする
練習として風船を打ち返す練習中。

風船が気に入ったのかずっとやってる。

でもさすがにずっとっていいのも
折角あなたが目を覚ましたのに
また体調が悪くなるのも嫌やから
重岡大毅
重岡大毅
あなた、お茶飲も。
ゆっくりな?
ストロー付きのお茶をあなたに渡せば
ちょっと嫌な顔されたけどでも喉が乾いてたのか
勢いよくお茶を飲みだした。
あなた

……ん。

重岡大毅
重岡大毅
はいはいはい。
どうする?続きする?
それとも字の練習する?
あなたからお茶を受け取って
風船とホワイトボードを見せたら
直ぐにホワイトボードの方に手を伸ばした。

机の上を片付けてホワイトボードとペンを置いて
俺も小さい椅子を隣に持ってきて
あなたの隣に座った。
重岡大毅
重岡大毅
あなた、今日何書く?
この前はあ、い、う、書いたで?
まだ手首とかの力が入らないから
綺麗とは言えない字やけどそれでも一生懸命
ホワイトボードに字を書いていくあなた。
あなた

……ん〜、あ、っ!

重岡大毅
重岡大毅
はいはい笑笑
お、できたやん!笑笑
今日ホワイトボードに書いたのは
この前の続きの練習と『え』と『お』。
褒めればあなたも嬉しいのか
ちょっとだけ笑ってくれる。

昔から変わらないそのあなたの笑顔に
俺はずっと見とれていた。



























朝からリハビリをしてたあなたも
今は疲れて寝ている。
ホワイトボードには朝から練習していた文字
『え』と『お』が消されないでいた。


中学の時俺か1回だけ風邪をひいた時
ノートを見せてくれた時の字とは
歪な形をしていた。

それでもきっとこうやって毎日練習すれば
あの可愛らしい文字に戻ると信じてるから。

あなたにとって当たり前だとこれが日常だと
思える日まで俺がずっとそばで支えるから。
重岡大毅
重岡大毅
…今度こそ絶対に
俺が守るからな。
寝ている愛しいあなたの頭を撫でながら
帰る準備をした。

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