無料ケータイ小説ならプリ小説 byGMO

第4話

はるまき🌏 さん request 3

意識が朦朧とする中、片寄涼太がわたしに笑いかけてくれているという事実だけは脳内に入ってくる。


メンバー同士のわちゃわちゃも。
涙誘うようなバラードも。
激しく踊るポップスも。


何となく、わたしは夢の国に来ているんだなあと再認識させると共に。



サエコ
サエコ
……ちょっと、顔色悪いって
あなた

あーーうん、多分、限界?



椅子に座ろうとした瞬間。


ふわりといい香りがわたしの頭上に降りかかる。



視界が暗く染まり音だけが遠くで鳴っていた。












あなた

え?



頭の ソレ を取ると現実の世界に戻ったように音が近くで感じた。



片寄涼太
(大丈夫?)



顔を上げるとタオルを投げてくれた王子様。


口パクで、多分、心配もしてくれていた。



何が起きたか分からず、手に持ったタオルを見つめる。


少し暖かくなったタオルをお腹に当てたら少しだけ収まった気がする。




コクリと頷くと、ニコッと笑って向こう側へ行ってしまった。



サエコ
サエコ
…………まっ、てええええ?
あなた

えーーーーーーーーーーーー




曲が終わり一旦終わるライブ。


アンコールという叫びがドーム中から聞こえる中、わたしたち2人はさっき起こったことを詳細に語り合う。



サエコ
サエコ
ちょっと、待って待って待って待って待って待って待って待って、え?まっ、それ、え?
あなた

ちょーいい匂いする、てかそんなことはどうでも良くて、え?私の事見てくれてたってこと?は?ちょっと、推しの瞳に私が入ってたの?死ぬんだけど、え?待って待って、何?このタオル返した方がいい?もうお腹から離れないんだけどなんなの?

サエコ
サエコ
ちょ、うるさいけど、多分それ、あなたにくれたんじゃないの?
あなた

あーーーーやっぱりいいいいい



目の前で踊る王子様にも。
お腹にある王子様から貰ったタオルも。


今日はわたしの命日か。