🥟side
教室に戻ると
ヨンボガにヒラヒラと手を振られる
満面の笑みを浮かべていて、イエニのことだとわかる
なんでついてくるのかなんて
聞いても答えてくれないだろうな
授業は苦手な世界史
窓際の席だから、集中せずにグラウンドの方を見ていた
1年、かな
ちょうどサッカーの授業らしく、女子が周りで見ている中男子が試合をしていた
あれ、あの子⋯
遠くてよく見えないが、1人ずば抜けてサッカーの上手い人が
あの雰囲気、知ってる
⋯⋯イエナ
サッカーやってたのかな
うらやましい
俺も続けたかったな
危ない危ない
隣のやつに救われた
少し会釈して、また視線をグラウンドへ戻す
顔までははっきり見えない
でも、イエナな気がする
どんどん人を抜いていって、シュート
俺もやりたいな
でも、もうできない
⋯いや、やらない
キーンコーンカーンコーン
今日は5限までだから
挨拶して
さっさと荷物をまとめて教室を出る
少しぼーっと歩いていると、何かにぶつかった
腕を掴まれそうになって
咄嗟に腕を引いた
相手は3人で、不気味な笑みを浮かべている
間をすり抜けて、校門へと走った
夢中で走った
息が絶え絶えになりながら
後ろに誰もいないことを確認して、校門の端にへたりこんだ
なんでもない
そう言いたいのに
上手く口から言葉が出ない
息を吸ってるのに、酸素が回る感覚がしなくて
ビニール袋が張り付いてるみたい
息が、苦しい⋯
背中をさすられて
荒くなった息が戻ってくる
背中の手が暖かくて
気分もだんだん落ち着いてくる
なんでだろう
今まで鬱陶しいとしか思わなかったのに
助けてくれたから?
スマホを取りだして、交換する
ヨンボガ以来だな
連絡先交換なんて
2人目、?
少し、帰るのが楽しかった
テスト期間終わったので、今日だけ高浮上です
では、あんにょん!












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。