第17話

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2021/06/10 22:19





お風呂は大体風雅くんが先に入る。




その間に私が夕飯を作って、風雅くんが出てきたら
一緒に食べる。




何となくそんなルーティンが出来上がってきた。




風「 今日の夜ご飯なに? 」

『 んー、炒飯、かな 』

風「 まじで、俺炒飯大好き 」

『 え、そうなん、よかったぁ 』



なんだか最近思うことがある。


こうやって普通に風雅くんと会話してると
まるで風雅くんが弟になったみたいに
錯覚するんだ。


私は一人っ子やから、弟、嬉しいなとか思ってみたり。




『 早くお風呂入っておいで 』




ちょっとお姉さんぶってみたり。


風雅くんはお風呂場に向かった。


1人になってテレビの音だけが響くようになる。
前はこれが普通だったのに。


聞こえてくるのはニュースキャスターの冷めた口調で、
何か面白いのやってないのかと、番組表を
開いてみる。


お、なんかこれいいやん、とボタンを押す。


さて、そろそろ作りますかね。

ソファーから立ち上がって台所に立つ。

たちまち物凄くいい匂いが立ち込めて、
鼻を掠める。

そんな匂いに釣られるかのように風雅くんが
歩いてくる。


風「 めっちゃええ匂い… 」


と呟きながらお皿やら箸やらを綺麗に並べてくれる。

さすが風雅くんやな、と感心。


盛り付けたお皿を2人で運んだら、いただきますっと2人で手を合わせる。


風「 美味いっ、」

『 ほんまに?嬉しいわぁ 』

風「 あなたちゃん意外と器用なとこあるんやな 」

『 意外とって… 』



素直に言えないところも彼の可愛い所。

まだまだ子供やななんて私が言っても
そんな変わらんやろって、また怒られるんやろうな。


風「 あ、」


すると突然風雅くんが画面をみて声を出す。


なんだろうと思って私も顔を上げると。

目が合った。








カレと。




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