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2021/06/11

第18話

.☕️





そのまま固まる私を見て風雅くんが言う。


風「 あれ、あなたちゃん知らんかった? 」



" 濵田くん芸能人やで " って。



分からない。何故か分からないけど背筋が
すっと冷えたような、物凄く苦しかった。

一気に濵田さんが遠くに行ったように、
もう触れてはいけないかのように感じた。



風「 あんまり芸能人みたいに見えへんけどな 」


なんて風雅くんが続けるから、私も何か言わなきゃって咄嗟に言葉を探す。



『 そうかな、かっこええと思うけどな 』



当たり障りのない言葉を吐けば、苦しさ諸共
飲み込むように炒飯を掻き込む。


その時、通知音が鳴った。






スマホを見れば


1件の通知。







"こちらこそ、追加してくれてありがとう😁
よろしく☺️☺️"







なんてタイミングが悪いんだろう。


普通なら芸能人の繋がれた事を喜ぶのだろうか。


何故、私は喜んでないんだろう。

色々な考えが頭の中を駆け巡る。


目の肥えた芸能人の人が私なんかを、
相手にするんだろうか。



こうやって普通に飛んでくるメッセージが
こうも痛いなんて。



濵田さんに遊ばれてるだけなんだろうか。



液晶の中で濵田さんはキラキラと輝いていた。

ああ、芸能人なんだ。芸能人。


考えれば考えるほど鼻がつんっと痛くなる。

自分が泣いてること気づいたのは風雅くんの指が
ゆっくりと頬を撫でたから。



風「 好き…なんやな、知ってたけど 」



お見通しか、と自分のわかり易さにもはや笑える。


『 馬鹿だね私、1人で盛り上がってて 』

風「 … 」

『 濵田さんの周り綺麗なお姉さん沢山おるんやろうな、眼中にも無いのに私なんか 』

風「 あなたちゃん、」

『 分かってる、諦めなきゃいけないの。
でもさ、こんなに苦しいのにさ 』

風「 あなたちゃん 」

『 諦めようと思っても無理なんよっ 』


ふわっと香るシャンプーの匂いと
背中に回る大きな手。頭を撫でる優しい手。
耳元で聴こえる落ち着いた声。



風「 あなたちゃん、馬鹿なんかやないで 」


阿呆やけどって付け足す風雅くんはやっぱり優しい。

どっちが先輩なんだろう。


ああ、好きなんだ。濵田さんが。
風雅くんの腕の中で濵田さんの声を聞く。


暖かい太陽みたいな声。
聞けば私の心まで暖かくなる魔法みたいな声。


考えれば考えるほど、苦い。苦すぎた。



こんな形で片想いが終わるなんて。




メッセージには既読もつけず、その日は眠りについた。