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2021/06/27

第29話

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今日は風雅くんはカフェには来なかった。





部活が遅くなってしまうらしい。






学生も大変やなぁ。


なんて、考えながら歩いていると、
何処からか人の声が聞こえてくるような気がした。





でも、いつもは閑静な道だし辺りを見渡しても人はいない。



そのまま家に向かって歩いていると、
公園の前を通りかかったときに答えは見つかった。







小「あなたちゃんやん、」







そこには昼に濵田さんと一緒にいた高身長イケメンさんがいた。





なんで名前を?と不意に呼ばれた名前にドキッとしつつも




ふと横を見ると、濵田さんもいた。







濵田さんを見た瞬間、反射的に立ち去らなきゃと思ってしまう。






でも、そうはさせてくれなかった。







歩き始めようとした途端、右腕をギュッと掴まれて、送っていこうか?なんて言われてしまった。









分かってる。ファンとアイドルやから。









良くない。分かってる。










でも、"好き"が隠してた壁からひょいと顔を出してしまう。




『お願い、します、』






なんてタジタジの返事しか出来ない。










だって、右腕に伝わってるんだもん。




触れたくて、触れたくて、仕方なかった温もりが


今この右腕にしっかりと伝わってる。


歩き始めてもその手を離されない。


忘れてるのか、わざとなのか。


この時間だけ、この時間だけ、自分の感情に甘えよう。






高身長イケメンさんは先帰ってる、と言い残して何処かへ去っていった。




濵「寒い、ですね」





全然、寧ろ、暖かい、暑い。





『私は、暖かいです、』

濵「え、ホンマに?俺が冷え性なだけ?」

『濵田さんの手、暖かいです、』




まるでホットコーヒーみたい、と呟くと、




ばっと、手を離されてしまう。





濵「ご、ごご、ごめんなっ、その、忘れとったっ 」





なんて慌てる濵田さんも可愛い。
いいんだ、今は今だけは自分の感情に素直になる時。








『離さ…ないで?』



濵「えっ、」








気持ち悪い、自分。





本当に気持ち悪い。





ホンマにええの?と、遠慮がちに繋がれた手は
また彼の温もりで、包まれる。