第2話

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2020/12/04 07:36




『 おはようございまぁす 』



風「 ざぁーす 、」



扉を開ければ珈琲豆の香りが少しの隙間からも
溢れ出して鼻をくすぐる。



『 おはよう、風雅くん今日は早いんやね 』



風「 ぁい、」



スマホに夢中なこの子は大西風雅くん。

初めて出来た私の後輩、高校2年生です。
さすが今の子ですね。



風「 そんな歳変わらんやろ 」



『 先輩ヅラさせてや… 』



風「 俺先輩やと思ってへんし 」



丸「 おお、あなたちゃん来てたんやな 」



こちらはここのお店の丸山店長。
お調子者で面白い。
偶に本気で笑えない時もあるけど…
でも黒いエプロンがすごく良く似合う私の憧れだ。


『 おはようございます、店長 』



丸「 丸ちゃんでええよっていつも言うてるやん〜 」



風「 それ1歩間違えたらセクハラとか
言われるんちゃいます? 」



丸「 え、え、そうなん!? 」



『 大丈夫ですよ、笑 』



朝から賑やかな空気で開店時間を迎える。



丸「 よし、じゃあ今日も元気に爽やかに、
珈琲に無限の愛を注いで… 」



風「 それ長くなりますか? 」



丸「 全く…風雅は分かってへんな… 」



こんな会話を聞いて微笑ましく思いながらも、
私は時間を待っている。


月に何回か不定期で、でもいつも決まった時間に
かかってくる1本の電話を。


今日はかかってくるかな。
開店してすぐの時間に来るはず…。



風「 あなたちゃん? 」



『 あ、え、』



風「 外の札、オープンにして来てって 」




『 あ、了解ですっ、』




自分の事ながらどっちが先輩なんだか…





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