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小｢ 濵ちゃぁん、｣



高身長のくせに遠慮なく体当たりしてくるから
正直痛い。




濵｢ いてっ、なんやねーんもぉ、｣



小｢ まだ珈琲頼まへんの？？ ｣



濵｢ まだ開いてへんねんなあ、｣




この地域の近辺のスタジオに来ると必ず
デリバリーを頼むカフェがある。


姉ちゃんから教えて貰ったカフェで、
豆の風味とか淹れ方とか…なんか全部好みで
近くに来たら必ず注文すると決めている。


メンバーも気に入ってくれてるみたいやし。



小｢ まだ？まだ？ ｣



濵｢ まだやって、笑 ｣




俺にはもうひとつ目的がある。



それは、いつも電話番をしてるらしいお姉さんの
声を聞くこと。



こんなこと言うたらきっとメンバーには
気持ち悪いって言われるやろうから絶対言わへんけど


小｢ 濵ちゃん！！時間なった！！ ｣



濵｢ お、あ、うん、かけるな ｣




Prrrrrr…  Prrrrrr…




『 はいもしもし、マルちゃんカフェです 』



この声この声…



濵｢ あ、こんにちは ｣



『 こんにちは、その声はいつもの
    ホットコーヒー7つですね、？笑 』



え、覚えててくれてるん、



濵｢ え、あ、はい、覚えててくれてるんですか、｣



『 えっ、あ、いや、覚えてるって言うかその… 』


そんなわかりやすくキョドらんでも、笑

そんな所も可愛いなと思ってしまう俺は
やっぱりちょっと気持ち悪いのかもしれん。


濵｢ いつもありがとうございます ｣



『 いえいえ、こちらこそありがとうございます 』



どうやら次の撮影が俺の番らしく名前を
呼ばれてしまった。



濵｢ あ、ちょっともう行かなあかんから、
       それじゃ、お願いします ｣



『 はいっ、行ってらっしゃいっ 』



濵｢ えっ、｣




俺の痛恨のミスで電話を切ってしまった。




彼女の行ってらっしゃいが頭の中で何回も
リピートされてその度にニヤけが止まらんく
なってる。




重｢ 何やねん濵ちゃん、ニヤニヤしおって
      気持ち悪い、笑 ｣



濵｢ え、俺やっぱ気持ち悪い？ ｣




藤｢ 今日の濵ちゃん、ホンマに気持ち悪いで 
      ずっとニヤニヤしてるし、急に笑い出すし ｣



いや、傍から見たらだいぶ重症やな。


会うたこと無いのに、声しか聞いたことないのに
名前も知らん。



俺の淡い片想い。




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